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[jamsat-news:1348] SATINF#177 9 October 2000



衛星情報  SATINF#177   9 October 2000



1.運用中の衛星

●AO-10
  姿勢安定化のためのスピンが止まってしまい、姿勢がふらついているもの
 と思われます。そのため、状態はその日によって違います。ビーコンを受信
 し、状態を把握してQSOに望むと良いと思います。

  遠地点が南であるためため、ヨーロッパや北米と窓が僅かになってしまっ
 ています。反面、近地点付近で北米との窓が数分間開けるのでローパワーや
 簡単な設備で北米とのQSOのチャンスがあります。
  ただし、近地点付近では食が発生し、トランスポンダが停止しています。

  10月に3B6のペディションの計画がありましたが、来年5月に延期されまし
 た。


●RS-12/13
  RS-13がKAモードで運用しています。北米では盛んに使われていますが、
 日本ではほとんどアクティビティがありません。


●RS-15
  Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
 2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
 がおこなわれている間だけオンになっています。


●FO-20
  夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler)が動作し、
 送信が一時的に停止することがあります。
  UVCとは、バッテリの過放電を防止するための回路でバッテリ電圧が低下
 すると送信機への電源供給を遮断します。
  送信停止は、食の後半で起きていることから次のことが推測されます。
   (1)食に入り、電源供給はバッテリからおこなわれる
   (2)バッテリ電圧が徐々に低下
   (3)UVC動作電圧にまで電圧が低下しUVCが動作し送信機への電源供給を
    停止
   (4)食を抜け電圧が上昇しUVCが送信機への電源供給を再開
  バッテリに十分な電力が充電できなくなったために起きている現象と考
 えられます。FO-12でも同様の現象が起きていたようです。


●FO-29
  1ヶ月間デジトーカの運用になります。
    10/ 7 - 11/ 5 デジトーカ
           (水曜日は状態確認のためアナログモードで運用)


●AO-27
  9月9日よりFMトランスポンダの運用が再開されました。衛星の状態を監視
 するためにトランスポンダの運用が停止されることがあります。

  日照時間帯にトラポンがオンになります。
  運用スケジュールは
    TEPR 4=36
    TEPR 5=72
 です。衛星に日が当たり始めた13分後から18分間トランスポンダが動作しま
 す。
                     [from KM4NZ Chuck @amsat-bb]


●AO-16
  RBBSは再開されていませんが、デジピータがオンになっています。
  Sバンドの運用は停止しています。


●LU-19
  CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
 CWで約30秒毎に送信されています。


●UO-11
  正常動作しているようです。


●UO-14
  アマチュアバンドに復帰し、JモードのFMリピータの運用がおこなわれて
 います。


●UO-22
  正常運用しています。


●KO-23
  食のため、電源事情が悪化し、運用が不安定になっています。


●KO-25
  正常運用しています。


●IO-26
  デジピータがオンになっています。


●TO-31(TMSAT-1)
  BBSへの書き込みはできませんが、ディレクトリ、テレメトリデータ、CCD
 カメラの画像データのダウンロードが可能です。


●GO-32(TechSat-1B)
  断続したビーコンが送信されているようです。


●SO-33(SedSat-1)
  ビーコン:437.910MHz 9600bps FSK

  テレメトリを送信しており、SGS20というソフトでデコードすることがで
 きます。SGS20は、
    http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
 から入手できます。
  テレメトリがデコードできたら管制局 telemetry@seds.org へレポー
 トして下さい。


●SO-35(SunSat)
  現在、145.825MHzでpalotモードの運用がおこなわれています。

  東京で最大仰角となる夜のパスでトランスポンダが動作する傾向にあるの
 で、そのパスを目安にワッチしてください。DX局と交信するため、日本の端
 を通過するようなパスでトランスポンダをオンにすることも考えられていま
 す。
  詳細は、SunSatのweb siteで確認されて下さい。

  SunSatの情報は、次のweb siteから得られます。
    http://sunsat.ee.sun.ac.za
    http://esl.ee.sun.ac.za
    http://www.jamsat.or.jp/oscar/sunsat/mirror/


●OO-38(OPAL)
  437.100MHzで、9600bpsのビーコンを送信しています。ビーコンの送信は、
 10秒毎だったり1分毎だったりするようです。



2.調整中の衛星

●SNAP-1
  SNAP-1は、OBC(on-board computer)を搭載していないため、マニュアルで
 衛星を制御しなければなりません。また、小型衛星であるため、電源に余裕
 が無く、コマンド局(英国 サレー大学)の可視範囲でのみ、ダウンリンク
 をオンにしています。
  ダウンリンクは、2430MHz 100mW、38.4kbpsですが、2.4mのディッシュで
 良好に受信できているそうです。
                                          [from G7UPN Chris @amsat-bb]


▲PO-34(PanSat)
  スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
  PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/


●UO-36(UoSAT-12)
  mode-J up:145.960MHz 9600bps FSK/down:437.025, 437.400MHz

  437.400MHzで38.4Kbpsの信号を送信しているようです。

  何度か受信を試みていますが、信号は聞こえませんでした。

  UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sstl.co.uk/


◎SAUDISAT-1A、SAUDISAT-1B、Tiungsat-1
  9月26日 1005zにカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げがお
 こなわれ、予定の軌道に投入されました。

  SaudiSat-1A、SaudiSat-1Bは、管制局(リヤド、ワシントンDC、デンバー)
 の可視範囲でのみダウンリンク(9600bps)がオンにされ動作確認がおこな
 われています。

  Tiungsat-1は、437.325MHzでダウンリンク(9600bps)を送信しています。
 動作確認中で、アップリンクはできません。

  以下は、9月30日にJE9PEL 脇田さんが受信されたTiungsat-1のダウンリ
 ンクのデータです。
    fm MYSAT3 to HITVER ctl UI pid F0
    OBC386: HIT V2.4 SYNC V1.3 
    
    fm MYSAT3 to SKED ctl UI pid F0
    Sked 1.5 File2:d Next:Sat Sep 30 06:00:00 2000.
    fm MYSAT3-11 to PBSHUT ctl UI pid F0
    PB: Empty.
    
    fm MYSAT3 to STATUS ctl UI pid F0
    Sat Sep 30 01:50:59 2000 Up: 2/7:2 F:483408 L:482720 d:0 [0].
    
    fm MYSAT3-12 to BBSTAT ctl UI pid F0
    SHUT 12a : 
    fm MYSAT3-11 to STATUS ctl UI pid F0
    B: 5304385
                                            [from JE9PEL/1 @jamsat-bb]



3.運用を停止している衛星

▲MIR
  搭乗員は6月16日にMIRを離れ、無人状態になっており、アマチュア局の運
 用は停止しています。
  新しい搭乗員が乗り組むのは、MIR誕生15周年となる2001年2月が予定され
 ています。
  投棄が決まったとの話もありますが、確認できていません。


▲DO-17


▲WO-18


▲WO-39(JAWSAT)



4.これから打ち上がる衛星

◎P3D
  10月6日にV133(アリアン4型ロケット)の打ち上げが成功しました。10月
 27日にはV134(アリアン4型ロケット)が打ち上げられる予定です。V134の
 次がP3Dを乗せたV135(アリアン5型 7号ロケット)の打ち上げになります。
  P3Dを所定の軌道に乗せるためのロケット打ち上げの窓は10月31日から開
 けるようですが、打ち上げ日の正式発表はありません。クルー在住のFY1DW
 Norbertさんは11月14日になるのではないかと10月7日にレポートしています。

  クルーで打ち上げ準備が着々と進められています。今のところ、P3Dに問
 題はないようです。クルーでの様子は
    http://www.amsat-dl.org/launch/
 で確認することができます。

  アリアンスペース打ち上げ予定
   打ち上げロケット   ペイロード                  打上予定/結果
   -------------------------------------------------------------
   V128  Ariane 505   AsiaStar, Insat 3B          3/21 成功
   V129  Ariane 42L   Galaxy 4R                   4/18 成功
   V130  Ariane 506   Astra 2B, GE-7              9/14 成功
   V131  Ariane 44LP  Brasilsat B4, Nilesat 102   8/17 成功
   V132  Ariane 44P   Eutelsat W1                 9/ 6 成功
   V133  Ariane 44L   N-SAT-110                  10/ 6 成功
   V134  Ariane 44LP  Europe*Star1               10/27
   V135  Ariane 507   AMSAT P3-D, PAS-1R,        11/14?
                      STRV-1C/1D


●ISS
  ARISSイニシャル局の設備を搭載したスペースシャトル STS-106は9月8日
 に打ち上げられ、9月10日にISSとドッキングし、機材一式がISSに運び込ま
 れました。
  ISSの最初の搭乗員は10月末から4ヶ月間ISSに滞在します。この間にイニ
 シャル局の設営がおこなわれ、運用が開始される見込みです。

  10月5日にISSへ向けてSTS-92の打ち上げが予定されていましたが、燃料タ
 ンクのボルトに問題があることがわかり、打ち上げは延期されました。
 STS-92には若田さんが乗り込みます。


●Kollibri
  Kollibriというアマチュア衛星が2001年にMIRの補給船プログレスから打
 ち上げ(放出)される計画があります。テレメトリとデジタルボイスの送信
 機能を持ち、大気圏に再突入するまでの4〜6ヶ月間、運用をおこなう予定で
 す。
  http://www.iki.rssi.ru/kollibri/missija1.htm
 に詳細があります(ロシア語)。
                                        [from WF1F Miles @amsat-sarex]



5.衛星に関する情報

★衛星設計コンテスト最終審査会
  全国の大学院、大学及び高等専門学校の学生を対象とした、第8回衛星設
 計コンテスト最終審査会が10月22日に開催されます。
  学生の自由な発想による小型衛星などの企画から、公開発表形式によって
 優秀作品が決定・表彰されます。

   日 時:平成12年10月22日(日) 10:00〜18:00
   会 場:東京都立航空工業高等専門学校 汐黎ホール
        〒116-0003 東京都荒川区南千住8-52-1
   TEL:03-3801-0145
    交 通:・JR常磐線、営団日比谷線 南千住駅下車(誘導看板有り)
        タクシー5分、徒歩12分
       ・東武線 鐘ケ淵駅下車 徒歩15分
       ・都バス上野松坂屋前より「上46系統」南千住汐入行で
        都立航空高専前下車
   ※ 入場無料
   ※ 車でのご来場はご遠慮下さい

  プログラムや会場の案内、前回までの様子などは、以下のサイトにあります。
  http://yyy.tksc.nasda.go.jp/Home/Press/Press-j/200009/eisei_000925_j.html

                                             [from JG1LDV @jamsat-bb]


★V73
  UO-14などにアクティブなV73UX Daveさんたちによって、Kwajaleinアマ
 チュア無線クラブに衛星通信用設備が完備され、SSB衛星にも運用ができる
 ようになり、FO-20、FO-29の運用を開始されたました。
  オペレータは、V73AT Tim、V73JK Ray、V73SP、V73UXの4局です。今後ア
 クティブに色々な衛星にQRVされることと思います。



参考
 ANS、SpaceNews、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト



JN1GKZ 新井
   jn1gkz@jamsat.or.jp     http://www.din.or.jp/~m-arai/