[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[jamsat-news:1329] SATINF#176 16 September 2000



衛星情報  SATINF#176   16 September 2000


1.運用中の衛星

●AO-10
  姿勢安定化のためのスピンが止まってしまい、姿勢がふらついているもの
 と思われます。そのため、状態はその日によって違います。ビーコンを受信
 し、状態を把握してQSOに望むと良いと思います。

  遠地点が南であるためため、ヨーロッパや北米と窓が僅かになってしまっ
 ています。反面、近地点付近で北米との窓が数分間開けるのでローパワーや
 簡単な設備で北米とのQSOのチャンスがあります。


●RS-12/13
  RS-13がKAモードで運用しています。北米では盛んに使われていますが、
 日本ではほとんどアクティビティがありません。


●RS-15
  Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
 2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
 がおこなわれている間だけオンになっています。


●FO-20
  7K4IIN 中島さん、JK1DVX 佐々木さんらからトランスポンダが停止するこ
 とがある旨の報告がありました。原因は、食によってUVC(Under Voltage
 Controler)が動作し、送信を一時的に停止しているものと推測されます。
  UVCとは、バッテリの過放電を防止するための回路でバッテリ電圧が低下
 すると送信機への電源供給を遮断します。
  送信停止は、食の後半で起きていることから次のことが推測されます。
   食に入り、電源供給はバッテリからおこなわれる
   バッテリ電圧が徐々に低下
   UVC動作電圧にまで電圧が低下しUVCが動作し送信機への電源供給を停止
   食を抜け電圧が上昇しUVCが送信機への電源供給を再開
  バッテリに十分な電力が充電できなくなったために起きている現象と考
 えられます。FO-12でも同様の現象が起きていたようです。
                                [from JARL、7K4IIN、JK1DVX @jamsat-bb]


●FO-29
  今後のスケジュールは次の通りです。
     9/11 -  9/17 1200bpsデジタル
     9/18 -  9/24 アナログ
     9/25 - 10/ 1 1200bpsデジタル
    10/ 2 - 10/ 6 アナログ
    10/ 7 - 11/ 5 デジトーカ
           (水曜日は状態確認のためアナログモードで運用)


◎AO-27
  9月9日よりFMトランスポンダの運用が再開されました。衛星の状態を監視
 するためにトランスポンダの運用が停止されることがあります。

  日照時間帯にトラポンがオンになります。
  運用スケジュールは
    TEPR 4=36
    TEPR 5=72
 です。衛星に日が当たり始めた13分後から18分間トランスポンダが動作しま
 す。
                     [from KM4NZ Chuck @amsat-bb]


●AO-16
  RBBSは再開されていませんが、デジピータがオンになっています。
  Sバンドの運用は停止しています。


●LU-19
  CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
 CWで約30秒毎に送信されています。


●UO-11
  正常動作しているようです。


●UO-14
  アマチュアバンドに復帰し、JモードのFMリピータの運用がおこなわれて
 います。

  V73UX、BA7KW、BG8KWといったDX局とのQSOがレポートされています。
                                       [from JF1MYH、JA6BX @jamsat-bb]


●UO-22
  全日照に入り、温度上昇を抑えるために衛星の姿勢を変えていましたが、
 姿勢は既に元に戻されたようです。


●KO-23
  食のため、電源事情が悪化し、運用が不安定になっています。


●KO-25
  正常運用しています。


●IO-26
  デジピータがオンになっています。


●TO-31(TMSAT-1)
  BBSへの書き込みはできませんが、ディレクトリ、テレメトリデータ、CCD
 カメラの画像データのダウンロードが可能です。


●GO-32(TechSat-1B)
  断続したビーコンが送信されているようです。


●SO-33(SedSat-1)
  ビーコン:437.910MHz 9600bps FSK

  テレメトリを送信しており、SGS20というソフトでデコードすることがで
 きます。SGS20は、
    http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
 から入手できます。
  テレメトリがデコードできたら管制局 telemetry@seds.org へレポー
 トして下さい。


●SO-35(SunSat)
  FMトランスポンダがJモード(up:145.825MHz/down:436.250MHz)で動作し
 ています。
  9月24日までの日本上空でのFMトランスポンダの運用スケジュールは次の
 ように発表されています。東京で最大仰角となる夜のパスでトランスポンダ
 が動作する傾向にあるので、そのパスを目安にワッチしてください。
   9/17 1755-1809 JST
   9/18 1715-1729
   9/19 1814-1828
   9/20 1734-1748
   9/21 1654-1708
   9/22 1752-1806
   9/23 1712-1726
   9/24 1811-1825

  FMトランスポンダが動作していない時間は、デジピータとして動作して
 ているようです。

  デジピート用のコールサインは SUNSAT-*(*はSSID。SSIDは何番でもok)
 で、デジピートするには、unprotoを
   UNPROTO  CQ VIA SUNSAT-3
 のように設定し、CONVERSモード(convコマンドまたはkコマンドを実行)
 で送信すると信号がデジピートされます。

  9月15日は数秒間に1秒程度FMトランスポンダが動作すると言ったおかし
 なモードで動いていました。アナログの時間が終わった後は、9600bpsの信
 号を送信していたようです。
  9月16日は、アナログの運用が正常になされていました。

  SunSatの情報は、次のweb siteから得られます。
    http://sunsat.ee.sun.ac.za
    http://esl.ee.sun.ac.za
    http://www.jamsat.or.jp/oscar/sunsat/mirror/


◎OO-38(OPAL)
  437.100MHzで、9600bpsのビーコンを送信しています。ビーコンの送信は、
 10秒毎だったり1分毎だったりするようです。

 9月12日にJE9PEL 脇田さんによって受信されたビーコン
   KF6RFX>CQ [12 Sep 2000  08:50:00] <UI R>:OPAL 19:2888678815 <01>
   KF6RFX>CQ [12 Sep 2000  08:50:10] <UI C>:OPAL 19:2888678815 <01>
   KF6RFX>CQ [12 Sep 2000  08:50:20] <UI R>:OPAL 19:2888678815 <01>
   KF6RFX>CQ [12 Sep 2000  08:50:30] <UI R>:OPAL 19:2888678815 <01>
   KF6RFX>CQ [12 Sep 2000  08:50:40] <UI R>:OPAL 19:2888678815 <01>
                                             [from JE9PEL/1 @jamsat-bb]



2.調整中の衛星

●SNAP-1
  SNAP-1は、OBC(on-board computer)を搭載していないため、マニュアルで
 衛星を制御しなければなりません。また、小型衛星であるため、電源に余裕
 が無く、コマンド局(英国 サレー大学)の可視範囲でのみ、ダウンリンク
 をオンにしています。
  ダウンリンクは、2430MHz 100mW、38.4kbpsですが、2.4mのディッシュで
 良好に受信できているそうです。
                                          [from G7UPN Chris @amsat-bb]


▲PO-34(PanSat)
  スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
  PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/


●UO-36(UoSAT-12)
  mode-J up:145.960MHz 9600bps FSK/down:437.025, 437.400MHz

  437.400MHzで38.4Kbpsの信号を送信しているようです。

  何度か受信を試みていますが、信号は聞こえませんでした。

  UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sstl.co.uk/



3.運用を停止している衛星

▲MIR
  搭乗員は6月16日にMIRを離れ、無人状態になっており、アマチュア局の運
 用は停止しています。
  新しい搭乗員が乗り組むのは、MIR誕生15周年となる2001年2月が予定され
 ています。


▲DO-17


▲WO-18


▲WO-39(JAWSAT)



4.これから打ち上がる衛星

◎P3D
  9月6日にV132(アリアン4型ロケット)が、9月14日にV130(アリアン5型
ロケット)の打ち上げが成功しました。9月27日にはV133(アリアン4型ロケッ
ト)の打ち上げが予定されています。
 P3Dを乗せるアリアン507の打ち上げは、11月3日以降になるとAMSAT-DLから
発表がありました。
 現在、P3D打ち上げチームは、クルーに集結してP3Dのテストをおこなってい
ます。

  アリアンスペース打ち上げ予定
   打ち上げロケット   ペイロード                  打上予定/結果
   -------------------------------------------------------------
   V128  Ariane 505   AsiaStar, Insat 3B          3/21 成功
   V129  Ariane 42L   Galaxy 4R                   4/18 成功
   V130  Ariane 506   Astra 2B, GE-7              9/14 成功
   V131  Ariane 44LP  Brasilsat B4, Nilesat 102   8/17 成功
   V132  Ariane 44P   Eutelsat W1                 9/ 6 成功
   V133  Ariane 44LP  Europe*Star FM1             9/27
   V13?  Ariane 507   AMSAT P3-D, PAS-1R,        11/ 3以降
                      STRV-1C/1D


◎ISS
  ARISSイニシャル局の設備を搭載したスペースシャトル STS-106は9月8日
 に打ち上げられ、9月10日にISSとドッキングし、機材一式がISSに運び込ま
 れました。
  ISSの最初の搭乗員は10月末から4ヶ月間ISSに滞在します。この間にイニ
 シャル局の設営がおこなわれ、運用が開始される見込みです。


●SAUDISAT-1A、SAUDISAT-1B、Tiungsat-1
  打ち上げに関する情報は発表されていません。

 SAUDISAT-1A、SAUDISAT-1B
  サウジアラビア初のアマチュア衛星。Pacsatと同一プロトコルの9600bps
 のデジタルモードとFMトランスポンダを持っているようです。ダウンリンク
 は次のように発表されています。アップリンク周波数は2mですが、打ち上げ
 後に公表される予定です。
    SAUDISAT-1A:437.075MHz
    SAUDISAT-1B:436.775MHz
                  [from Dr. Turki Al Saud @amsat-bb]

 Tiungsat-1(マレーシアのムクドリの意味)
  マレーシア初のアマチュア衛星。Astronautic Technology (M) Sdn. Bhd.
 (ATSB) とSurrey Satellite Technology Ltd. (SSTL)との共同開発。衛星の
 仕様は以下のとおりです。
   大きさ:690 x 390 x 360 mm
   重量:50kg(筐体35kg、ペイロード15kg)
   太陽電池:GaAs製 35W(max)
   搭載機能:マルチスペクトラム画像システム
          (MSEIS:Multi-Spectral Earth Imaging System)
        気象画像システム
          (MEIS:Meteorological Earth Imaging system)
        RBBS
   高度:645.1km(遠地点)、639.7km(近地点)
   軌道傾斜角:65〜67℃
   データ伝送速度:9600bps、38.4Kbps、76.8Kbps FSK
   アップリンク周波数:144.46、145.85、145.86MHz
   ダウンリンク周波数:437.300、437.325、437.350、437.375MHz
   アンテナ:4モノポール ゲイン0dBi、無指向性
                    [from 9M2SS Sangat @amsat-bb]


●Kollibri
  Kollibriというアマチュア衛星が2001年にMIRの補給船プログレスから打
 ち上げ(放出)される計画があります。テレメトリとデジタルボイスの送信
 機能を持ち、大気圏に再突入するまでの4〜6ヶ月間、運用をおこなう予定で
 す。
  http://www.iki.rssi.ru/kollibri/missija1.htm
 に詳細があります(ロシア語)。
                                        [from WF1F Miles @amsat-sarex]



5.衛星に関する情報

★V73UX
  UO-14にQRVしているV73UX Daveの情報です。
  彼は、片手に5Wのハンディ機、片手にアローアンテナ(2m 3エレ、70cm
 7エレ:satinf#175参照)というスタイルで運用してるそうです。両手がふ
 さがってログが取れないのでV73GTに手伝ってもらっていましたが、現在は
 VOX付きのヘッドセットを入手し1人で運用できるようになったそうです。
  FM衛星のみの運用だそうですが、SSBの準備をすすめておられるそうです。
  彼の運用可能な時間は火曜日から土曜日が0500-1030z、日曜日と月曜日が
 2000-1200zだそうです。UO-14では数分間しかQSOのチャンスはありません
 が、JAのパスにはアクティブに運用するとのことですので、探してみて下さ
 い。
  QSLはビューロまたはダイレクトで。住所は次のとおりです。
    Dave Fortin
    P.O. Box 66
    APO AP 96555
    U.S.A.

  9月16日1035-1038JSTでは強い信号で入感していました。


★P3D 400bpsテレメトリデコーダ
  G3RUH 400bpsデモジュレータ、DSP-93、DSP-12、DSP-2232に対応したP3D
 400bpsテレメトリ用のデコーダソフトのリリースが間近です。Windows95/98
 /NT/2000上で動作し、解読したテレメトリの表示、記録ができます。Linux
 版は、年内にリリースできる見込みだそうです。
  P3Dの第一声は、日本から聞くことができるようです。デモジュレータを
 お持ちの方はそろそろ準備をされてはどうでしょうか。
                                          [from W4SM Stacey @amsat-bb]



参考
 ANS、SpaceNews、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト

JN1GKZ 新井
   jn1gkz@jamsat.or.jp     http://www.din.or.jp/~m-arai/