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[jamsat-news:1322] SATINF#175 3 September 2000



衛星情報  SATINF#175   3 September 2000


1.運用中の衛星

●AO-10
  mode-B up:435.030-435.180MHz CW,LSB/down:145.975-145.825MHz CW,USB
         ビーコン:145.810MHz キャリア

  姿勢安定化のためのスピンが止まってしまい、姿勢がふらついているもの
 と思われます。そのため、状態はその日によって違います。ビーコンを受信
 し、状態を把握してQSOに望むと良いと思います。

  遠地点が南であるためため、ヨーロッパや北米と窓が僅かになってしまっ
 ています。反面、近地点付近で北米との窓が数分間開けるのでローパワーや
 簡単な設備で北米とのQSOのチャンスがあります。


●RS-12/13
  mode-KA up:21.260-21.300MHz CW,USB、145.960-146.000MHz CW,USB
          down:29.460- 29.500MHz CW,USB
          ビーコン:29.458MHz CW
          ロボット up:145.840MHz CW/down:29.504MHz CW

  RS-13がKAモードで運用しています。北米では盛んに使われていますが、
 日本ではほとんどアクティビティがありません。

  8月20日22時過ぎのパスでは21MHzの信号が良く聞こえていました。ダウン
 リンクも良好でした。


●RS-15
  mode-A up:145.858-145.898MHz CW,USB/down:29.354-29.394MHz CW,USB
         ビーコン:29.352MHz

  Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
 2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
 がおこなわれている間だけオンになっています。


★FO-20
  mode-JA up:145.900-146.000MHz CW,LSB/down:435.900-435.800MHz CW,USB
          ビーコン:435.795MHz キャリア

  7K4IIN 中島さん、JK1DVX 佐々木さんらからトランスポンダが停止するこ
 とがある旨の報告がありました。原因は、食によってUVC(Under Voltage
 Controler)が動作し、送信を一時的に停止しているものと推測されます。
  UVCとは、バッテリの過放電を防止するための回路でバッテリ電圧が低下
 すると送信機への電源供給を遮断します。
  送信停止は、食の後半で起きていることから次のことが推測されます。
   食に入り、電源供給はバッテリからおこなわれる
   バッテリ電圧が徐々に低下
   UVC動作電圧にまで電圧が低下しUVCが動作し送信機への電源供給を停止
   食を抜け電圧が上昇しUVCが送信機への電源供給を再開
  バッテリに十分な電力が充電できなくなったために起きている現象と考
えられます。FO-12でも同様の現象が起きていたようです。
                                [from JARL、7K4IIN、JK1DVX @jamsat-bb]


●FO-29
  mode-JA up:145.900-146.000MHz CW,LSB/down:435.900-435.800MHz CW,USB
          ビーコン:435.795MHz CW
  mode-JD(1200bps) up:145.850, 145.870, 145.910MHz 1200bps AFSK
                   down:435.910MHz 1200bps PSK
  mode-JD(9600bps) up:145.870MHz 9600bps FSK
                   down:435.910MHz 9600bps FSK
  デジトーカ:435.910MHz

  今後のスケジュールは次の通りです。
     9/ 1 -  9/10 アナログ
     9/11 -  9/17 1200bpsデジタル
     9/18 -  9/24 アナログ
     9/25 - 10/ 1 1200bpsデジタル
    10/ 2 - 10/ 6 アナログ
    10/ 7 - 11/ 5 デジトーカ
           (水曜日は状態確認のためアナログモードで運用)

  9/3は予定通りアナログモードで運用されていました。


★AO-27
  mode-J up:145.850MHz FM/down:436.795MHz FM

  7月31日、南半球上空、食に入る数分前にソフトウエアリセットが掛かり
 ました。このリセットによりAO-27はセーフモードになり、送信等の機能を
 オフにしました。
  リセットが掛かった原因は現時点では不明ですが、衛星の機能に問題の
 無いことが確認されています。管制局は復旧作業を進めていますが、運用
 再開までにはしばらく時間が掛かるようです。
  復旧するまでは、アップリンクしないようにして下さい。
  現在、エキサイタが常時オンになっており、436.797MHz USBでドップラ
 を伴ったトーン信号が受信できます。
                  [AO-27 Ground Controller N4USI Michael @amsat-bb]

  エキサイタの受信音は、JAMSATのサイトで聞くことができます。
    http://www.jamsat.or.jp


●AO-16
  mode-J up:145.90, 145.92, 145.94, 145.86MHz 1200bps AFSK
         down:437.025MHz 1200bps PSK

  RBBSは再開されていませんが、デジピータがオンになっています。
  Sバンドの運用は停止しています。


●LU-19
  mode-J up:145.84, 145.86, 145.88, 145.90MHz 1200bps AFSK
         down:437.150MHz 1200bps PSK
         ビーコン:437.125MHz CW

  CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
 CWで約30秒毎に送信されています。


●UO-11
  ビーコン:145.825MHz 1200bps, 2401.500MHz キャリア

  正常動作しているようです。


●UO-14
  mode-J up:145.975MHz FM/down:435.070MHz FM

  アマチュアバンドに復帰し、JモードのFMリピータの運用がおこなわれて
 います。


●UO-22
  mode-J up:145.900 or 145.975MHz 9600bps FSK/down:435.120MHz 9600bps FSK

  全日照に入り、温度上昇を抑えるために衛星の姿勢を変えていましたが、
 姿勢は既に元に戻されたようです。


●KO-23
  mode-J up:145.900MHz 9600bps FSK/down:435.175MHz 9600bps FSK

  食のため、電源事情が悪化し、運用が不安定になっています。


●KO-25
  mode-J up:145.980MHz 9600bps FSK/down:436.500MHz 9600bps FSK

  正常運用しています。


●IO-26
  mode-J up:145.875, 145.900, 145.925, 145.950MHz 1200bps FSK
         down:435.822MHz 1200bps PSK

  デジピータがオンになっています。


●TO-31(TMSAT-1)
  mode-J up:145.925MHz 9600bps FSK/donw:436.925MHz 9600bps FSK

  BBSへの書き込みはできませんが、ディレクトリ、テレメトリデータ、CCD
 カメラの画像データのダウンロードが可能です。


●GO-32(TechSat-1B)
  ビーコン:435.225MHz 9600bps HDLC

  断続したビーコンが送信されているようです。


●SO-33(SedSat-1)
  ビーコン:437.910MHz 9600bps FSK

  テレメトリを送信しており、SGS20というソフトでデコードすることがで
 きます。SGS20は、
    http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
 から入手できます。
  テレメトリがデコードできたら管制局 telemetry@seds.org へレポー
 トして下さい。


●SO-35(SunSat)
  mode-J up:145.825MHz FM/down:436.250MHz FM
  mode-J デジタル up:145.825MHz 9600bps、145.900MHz 1200bps
                  down:436.250MHz

  FMトランスポンダがJモード(up:145.825MHz/down:436.250MHz)で動作し
 ています。
  9月10日までの日本上空でのFMトランスポンダの運用スケジュールは次の
 ように発表されています。東京で最大仰角となる夜のパスでトランスポンダ
 が動作する傾向にあるので、そのパスを目安にワッチしてください。
   9/ 4 1821-1835 JST
   9/ 5 1741-1755
   9/ 6 1701-1715
   9/ 7 1800-1814
   9/ 8 1720-1734
   9/ 9 1819-1833
   9/10 1738-1752

  FMトランスポンダが動作していない時間は、デジピータとして動作して
 ているようです。

  デジピート用のコールサインは SUNSAT-*(*はSSID。SSIDは何番でもok)
 で、デジピートするには、unprotoを
   UNPROTO  CQ VIA SUNSAT-3
 のように設定し、CONVERSモード(convコマンドまたはkコマンドを実行)
 で送信すると信号がデジピートされます。

  SunSatの情報は、次のweb siteから得られます。
    http://sunsat.ee.sun.ac.za
    http://esl.ee.sun.ac.za
    http://www.jamsat.or.jp/oscar/sunsat/mirror/



2.調整中の衛星

●SNAP-1
  SNAP-1は、OBC(on-board computer)を搭載していないため、マニュアルで
 衛星を制御しなければなりません。また、小型衛星であるため、電源に余裕
 が無く、コマンド局(英国 サレー大学)の可視範囲でのみ、ダウンリンク
 をオンにしています。
  ダウンリンクは、2430MHz 100mW、38.4kbpsですが、2.4mのディッシュで
 良好に受信できているそうです。
                                          [from G7UPN Chris @amsat-bb]


▲PO-34(PanSat)
  スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
  PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/


●UO-36(UoSAT-12)
  mode-J up:145.960MHz 9600bps FSK/down:437.025, 437.400MHz

  437.400MHzで38.4Kbpsの信号を送信しているようです。

  何度か受信を試みていますが、信号は聞こえませんでした。

  UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sstl.co.uk/



3.運用を停止している衛星

▲MIR
  搭乗員は6月16日にMIRを離れ、無人状態になっており、アマチュア局の運
 用は停止しています。
  新しい搭乗員が乗り組むのは、MIR誕生15周年となる2001年2月が予定され
 ています。


▲DO-17


▲WO-18


▲WO-39(JAWSAT)



4.これから打ち上がる衛星

●P3D
  7月25日に予定されていたアリアン506の打ち上げはロケットの問題で延期
 されましたが、問題が解決したため、9月14日に打ち上げ予定日が設定され
 ました。また、年内の打ち上げは予定通りにおこなうとの発表がアリアンス
 ペースからありました。

  AMSAT-UKコロキュームでP3Dの打ち上げは10月31日であり、打ち上げキャ
 ンペーンを9月11日から始めると発表があったようですが、AMSAT-NA、DLか
 らの正式な発表はありません。
                    [from G3RWL Richard @amsat-bb]

  アリアンスペース打ち上げ予定
   打ち上げロケット   ペイロード              打上予定/結果
   ---------------------------------------------------------
   V128  Ariane 505   AsiaStar, Insat 3B      3/21 成功
   V129  Ariane 42L   Galaxy 4R               4/19 成功
   V130  Ariane 506   Astra 2B, GE-7          9/14
   V131  Ariane 44LP  Europe*Star             8/17
              or 44L
   V132  Ariane 507   AMSAT P3-D, PAS-1R,     10/31? 11/9?
                      STRV-1C/1D


●ISS
  7月12日にロシアが打ち上げたZvezdaモジュールは、7月26日0044zにISSと
 ドッキングに成功しました。これでISSはZarya、Unity、Zvezdaの3つのモ
 ジュールがつながり、長さ36.6m(120フィート)になりました。ZvezdaはISS
 搭乗員の居住棟になります。ZvezdaにはARISS用のアンテナケーブルを引き
 込む口が4つ設けてあるそうです。

  ARISSのイニシャル局の設備は、9月8日打ち上げ予定のSTS-106 スペース
 シャトル アトランティスによってISSへ運ばれる予定です。
  イニシャル局は、2mと70cmのエリクソン製ハンディ機(出力5〜6W)、
 Paccom製ピコパケットTNC、David Clark製特性ヘッドセットなどから構成さ
 れます。これらの設備は、最終チェックを終え、打ち上げを待つばかりになっ
 ています。
  アンテナは、イタリア、ロシア、米国のチームで開発を完了していますが、
 ISSへの取り付けは2001年後半まで取り付けることができない状況です。しか
 し、幸いにもZaryaに2mのアンテナが設置してあるので、当面はこのアンテナ
 を使って運用をおこなうようです。
  ARISSの運用はISSが有人化となる10月30日以降からの予定です。


◎SAUDISAT-1A、SAUDISAT-1B、Tiungsat-1
  8月25日に打ち上げが予定されていましたが、打ち上げロケットに問題が
 見つかったため、26日に延期され、さらに2週間延期されました。現時点で
 は、正式な打ち上げ予定日は発表されていません。

 SAUDISAT-1A、SAUDISAT-1B
  サウジアラビア初のアマチュア衛星。Pacsatと同一プロトコルの9600bps
 のデジタルモードとFMトランスポンダを持っているようです。ダウンリンク
 は次のように発表されています。アップリンク周波数は2mですが、打ち上げ
 後に公表される予定です。
    SAUDISAT-1A:437.075MHz
    SAUDISAT-1B:436.775MHz
                  [from Dr. Turki Al Saud @amsat-bb]

 Tiungsat-1(マレーシアのムクドリの意味)
  マレーシア初のアマチュア衛星。Astronautic Technology (M) Sdn. Bhd.
 (ATSB) とSurrey Satellite Technology Ltd. (SSTL)との共同開発。衛星の
 仕様は以下のとおりです。
   大きさ:690 x 390 x 360 mm
   重量:50kg(筐体35kg、ペイロード15kg)
   太陽電池:GaAs製 35W(max)
   搭載機能:マルチスペクトラム画像システム
          (MSEIS:Multi-Spectral Earth Imaging System)
        気象画像システム
          (MEIS:Meteorological Earth Imaging system)
        RBBS
   高度:645.1km(遠地点)、639.7km(近地点)
   軌道傾斜角:65〜67℃
   データ伝送速度:9600bps、38.4Kbps、76.8Kbps FSK
   アップリンク周波数:144.46、145.85、145.86MHz
   ダウンリンク周波数:437.300、437.325、437.350、437.375MHz
   アンテナ:4モノポール ゲイン0dBi、無指向性
                    [from 9M2SS Sangat @amsat-bb]


●Kollibri
  Kollibriというアマチュア衛星が2001年にMIRの補給船プログレスから打
 ち上げ(放出)される計画があります。テレメトリとデジタルボイスの送信
 機能を持ち、大気圏に再突入するまでの4〜6ヶ月間、運用をおこなう予定で
 す。
  http://www.iki.rssi.ru/kollibri/missija1.htm
 に詳細があります(ロシア語)。
                                        [from WF1F Miles @amsat-sarex]



5.衛星に関する情報

★KENWOOD All-Mode Multi-Bander
  ハムフェアに参考出展されたKENWOODのAll-Mode Multi-Banderですが、
 SATINF#174でサテライトモードではSSBをサポートしないと記しましたが、
 サテライトモードではオールモードをサポートすることが解りましたので
 訂正いたします。HFから1200MHzまでの衛星対応オールモード機です。正式
 発表が待たれます。

  本機にはTNCが内蔵されていますが、「パケットクラスタチューニング機
 能」と「リモートコントロール機能(Sky Command)」をサポートするため
 のもので、残念ながらデジタル衛星には使用できないようです。


★JARL京都支部大会
  9月17日(日)10:00-16:00、京都 向日市民会館においてJARL京都支部大
 会が開催されますが、JAMSATでは展示を予定しています。また、昨年、
 8J1RLをアクティブに運用したJA9BOH 前川さんの特別講演「8J1RL運用記」
 も予定されています。
  詳細はJARL NEWS 8/9合併号を参照下さい。


★Arrowアンテナ
  2mと70cmのアンテナを1本のブームにクロスに取り付けたアンテナをArrow
 (弓矢)アンテナと呼んでいます。USでは、片手にハンディ機、片手に
 Arrowアンテナを持ち低軌道衛星を追いかけている局も少なくありません。
  以下のサイトにArrowアンテナの製品紹介があります(2m 3エレ、70cm
 7エレ $73から)。製品だけあってきれいにまとめられています。低軌道衛
 星用アンテナの参考にして下さい。
    http://members.aol.com/_ht_a/Arrow146/146-437.html


参考
 ANS、SpaceNews、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト


JN1GKZ 新井
   jn1gkz@jamsat.or.jp     http://www.din.or.jp/~m-arai/