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[jamsat-news:1294] SATINF#171 2 July 2000
衛星情報 SATINF#171 2 July 2000
1.運用中の衛星
●AO-10
姿勢安定化のためのスピンが止まってしまい、姿勢がふらついているもの
と思われます。そのため、状態はその日によって違います。ビーコンを受信
し、状態を把握してQSOに望むと良いと思います。
●RS-12/13
RS-13がKAモードで運用しています。北米では盛んに使われていますが、
日本ではほとんどアクティビティがありません。
●RS-15
Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
がおこなわれている間だけオンになっています。
●FO-20
一時聞こえなくなったビーコンですが、再び聞こえるようになりました。
●FO-29
リクエストが多いようで、夏休みの間はデジトーカの運用が続きます。
今後のスケジュールは次の通りです。
7/ 3 - 7/ 9 1200bps デジタル
7/10 - 7/19 アナログ
7/20 - 8/31 デジトーカ(新しい音声データ)
●AO-27
日照時間帯はトラポンがオンになっています。
5月18日にスケジュールが変更されました。新しいスケジュールは
TEPR 4=42
TEPR 5=78
です。衛星に日が当たり始めた21分後から18分間トランスポンダが動作しま
す。
●AO-16
RBBSは再開されていませんが、デジピータがオンになっています。
Sバンドの運用は停止しています。
●LU-19
CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
CWで約30秒毎に送信されています。テレメトリの解読は、SATINF#159 16
January 2000を参照してください。
7月2日21時過ぎのパスではCWのビーコンが聞こえましたが、PSKの信号は
聞こえませんでした。
●UO-11
正常動作しているようです。
●UO-14
アマチュアバンドに復帰し、JモードのFMリピータの運用がおこなわれて
います。
●UO-22
全日照に入り、温度上昇を抑えるために衛星の姿勢を変えました。このた
め、アンテナが地球に向かなくなり、ダウンリンクは弱くなっているようで
す。
●KO-23
食の時間が長くなり、電源事情が悪化し、運用が不安定になっています。
●KO-25
正常運用しています。
●IO-26
デジピータがオンになっています。
●TO-31(TMSAT-1)
BBSへの書き込みはできませんが、ディレクトリ、テレメトリデータ、CCD
カメラの画像データのダウンロードが可能です。
●GO-32(TechSat-1B)
断続したビーコンが送信されているようです。
●SO-33(SedSat-1)
現在までに管制局のアラバマ大学では18000行のテレメトリデータを収集
しており、以下のサイトで公開しています。
http://uah.seds.org/projects/sedsat/
これらのデータは、太陽電池パネルやバッテリの解析などに有効に機能
しています。管制局では今後ともテレメトリデータの収集に協力してほし
い旨伝えています。
テレメトリはSGS20というソフトでデコードします。SGS20は、
http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
から入手できます。
テレメトリがデコードできたら管制局 telemetry@seds.org へレポー
トして下さい。
●SO-35(SunSat)
全日照の期間に入り、衛星の温度が上がっています。温度上昇を抑えるた
めの制御を頻繁におこなわなければならなくなり、トランスポンダの運用は
しばらく休止されます。
全日照は、11月まで続きます。
6月24日に一度だけFMトランスポンダの運用がありました。25日まではデ
ジピータの運用がおこなわれていましたが、それ以後、トランスポンダの
運用はありません。
6月25日にデジピートしたデータです。アップ/ダウンともに1200bpsのパ
ケットです。
JN1GKZ>CQ,SUNSAT-3* [25-Jun-00 18:03:17] <UI R>:
JN1GKZ>CQ,SUNSAT-3* [25-Jun-00 18:03:28] <UI R>:
CQ via SO-35 de JN1GKZ
JN1GKZ>CQ,SUNSAT-1* [25-Jun-00 18:07:20] <UI R>:
CQ via SO-35 de JN1GKZ
JN1GKZ>CQ,SUNSAT* [25-Jun-00 18:07:43] <UI R>:
デジピート用のコールサインは SUNSAT-*(*はSSID。SSIDは何番でもok)
で、デジピートするには、unprotoを
UNPROTO CQ VIA SUNSAT-3
のように設定し、CONVERSモード(convコマンドまたはkコマンドを実行)
で送信すると信号がデジピートされます。
SunSatの情報は、次のweb siteから得られます。
http://sunsat.ee.sun.ac.za
http://esl.ee.sun.ac.za
http://www.jamsat.or.jp/oscar/sunsat/mirror/
2.調整中の衛星
◎SNAP-1
Sバンドの送信機を搭載したアマチュア衛星 SNAP-1が6月28日1037zに
Cosmos 3Mロケットによって打ち上げられました。
SNAP-1は、サレーが開発した最初のナノ衛星(ナノ:マイクロより小型と
いう意味)です。2430MHzで38.4Kbps BPSKの送信をおこないます。
6月29日0140zにはサレーのコマンド局がテレメトリを受信し、衛星が正常
に動作していることが確認されました。
小型衛星であることから電源事情が非常に限られており、当面はコマンド
局により送信機のオン・オフがなされます。
2430MHzは、3000円コンバータの水晶交換、またはワイドバンド受信機の
使用によって受信可能になります。
2430MHzとIF、水晶の周波数の関係は次のとおりです。
(水晶の周波数)=(2430MHz - (IF周波数))/256
SNAP-1と一緒にロシアのナビゲーション衛星と中国の災害監視衛星
Tsinghua-1が打ち上げられました。Tsinghua-1は正常動作が確認されます
が、ロシアの衛星は軍事衛星のため情報がありません。
▲PO-34(PanSat)
スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/
▲UO-36(UoSAT-12)
食の期間に入り、日照率が70%以下になっています。6月23日には電圧事情
悪化のため、システムがシャットダウンされました。しばらくは不安定な動
作が続きます。
UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sstl.co.uk/
3.運用を停止している衛星
▲MIR
搭乗員は6月16日にMIRを離れ、無人状態になっており、アマチュア局の運
用は停止しています。
新しい搭乗員が乗り組むのは、11月が予定されています。
▲DO-17
▲WO-18
▲WO-39(JAWSAT)
4.これから打ち上がる衛星
◎P3D
P3Dの打ち上げは11月9日に設定されました。
最終的な軌道に落ち着くまでには半年程度を要します。
[from JA3GPE via HamRadio2000 @jamsat-bb]
アリアンスペース打ち上げ予定
打ち上げロケット ペイロード 打上予定/結果
---------------------------------------------------------
V128 Ariane 505 AsiaStar, Insat 3B 3/21 成功
V129 Ariane 42L Galaxy 4R 4/19 成功
V130 Ariane 506 Astra 2B, GE-7 7/25
V131 Ariane 44LP Europe*Star 7/上
or 44L
V132 Ariane 507 AMSAT P3-D, PAS-1R, 11/9
STRV-1C/1D
最終的にP3Dに搭載されるトラスポンダの周波数帯が次のように発表され
ました。トランスポンダの組み合わせを示すモードは、バンド毎に定義され
ている文字を[アップリンクの周波数帯][ダウンリンクの周波数帯]の順
に並べて2文字で表現します。
例:従来のBモード
→ P3Dでは UV(アップリンク 435MHz、ダウンリンク 145MHz)
従来のSモード
→ P3Dでは US(アップリンク 435MHz、ダウンリンク 2.4GHz)
文字 周波数 備考
----------------------------------------------------------------
T 21 MHz アップリンクのみ
H 24 MHz アップリンクのみ
V 145 MHz アップリンク、ダウンリンク
U 435 MHz アップリンク、ダウンリンク
L 1.2 GHz アップリンクのみ2バンド
S 2.4 GHz アップリンク、ダウンリンク 各2バンド
C 5.6 GHz アップリンクのみ
X 10 GHz ダウンリンクのみ
K 24 GHz ダウンリンクのみ
予定されていた29MHz帯は、制作が間に合わず搭載を見送りました。
他にレーザのダウンリンクがあります。レーザは、波長835nm(周波数
360THz) ピーク出力500mW(平均値250mW)で1600Hzのオーディオ信号と
400bpsのテレメトリを送信することができます。1600Hz信号のオン/オフで
CWの送信も可能です。
●ISS
ARISS実現に向けてのマイルストーンは、次のとおりです。運用が始まる
のは有人化となる10月以降になります。
イニシャル局は、2mおよび70cmの設備を備えますが、順次拡張される計画
です。
7月 ロシアのZvezdaサービスモジュールの打ち上げ
最初の搭乗員の居住区、ARISSイニシャル局の設置場所になる
8月 ARISSイニシャル局設備をスペースシャトルSTS-106で運搬
10月 ISS有人化
ロシアのソユーズでBill Shepard, KD5GSL(米国)、Sergei
Krikalev, U5MIR(ロシア)の2人(+1人?)がISSへ
ARISSのコールサインは、ITUに対して発給を要求していますが、各国で取
得する動きもあります。今般、ロシアに続いてドイツがコールサインを取得
したとの報告がありました。
ロシア:RZ3DZR
ドイツ:DL0ISS
米国:申請中
5.衛星に関する情報
★PREDICT バージョンアップ
KD2DB John氏によるテキストベースの軌道計算プログラム PREDICT がバー
ジョンアップされ2.0.3になりました。2ラインタイプの軌道要素チェックサ
ムのバグ修正などがされています。Linux版とDOS版があり、それぞれ以下の
サイトとから入手できます。
Linux版:ftp://ftp.amsat.org/amsat/software/Linux/predict-2.1.2.tar.gz
DOS版 :ftp://ftp.amsat.org/amsat/software/PC/tracking/predict2.zip
参考
ANS、SpaceNews、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト
JN1GKZ 新井
jn1gkz@jamsat.or.jp http://www.din.or.jp/~m-arai/