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[jamsat-bb:13703] 新しい衛星AMSAT-Echoについて@AMSAT-BB


JF6BCC 今石です。

  AMSAT-NA が企画している新しい衛星 AMSAT-Echo についての AMSAT-BB
の記事を紹介します。英文の原文は AMSAT-BB でご覧下さい。例によっ
て適当な意訳(しかも口語体)ですのでご容赦を。

  ちなみに、AMSAT Echo と言うのは、北米 AMSAT-NA が勧めている LEO
衛星のプロジェクトで、VHF UP & UHF DOWN のアナログ・デジタル共用
衛星です。詳細はこちらにあります。

AMSAT OSCAR E
http://www.amsat.org/amsat/sats/echo/article-02-11.html

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新 Echo 衛星が現実に! by W3IWI Tom Clark.
8/7 13:04

  8/5 に W4PUJ Dick、W2GPS Rick、W3IWI Tom は、N4TPY Mark、KC4YMG
Dino、WA3WDR Bob とともに SpaceQuest で会って、新しい衛星 AMSAT-
OSCAR-ECHO の中核部分について検討したんだ。
  まず最初にビッグニュース。打ち上げ交渉を担当する Dino から、打
ち上げ予定は 2004 年3月31日になったとの連絡があったよ。予定さ
れている軌道は高度 800km の太陽同期軌道だ。最大 10 個の衛星がそ
軌道に乗せられる。

  検討会の間、SpaceQuest 提供の衛星搭載機器が、試験台に並べられて
動作試験や接続試験をやっている所を見せてもらったよ。ここに撮った
写真を掲載してあるから見てくれ。

http://www.pbase.com/tomcat/amsat_echo

  まずは机上に並んだ状態のモジュール (Sバンド送信機用ケースのトレ
イを除く) が見えると思う。次いでユニットの中身の写真。写真にある
トレーの大きさは7インチ四方で、積み重なった形で四角い衛星を構成
するんだ。各トレーの隅に積み重ねるための柱が見えるよね。
  バッテリートレイの長い俸は回転式ダンパーだ。良く見るといくつか
のセルに温度センサがついてるのが見えると思う。赤黒の配線が太陽電
池からの配線、黄色の対線が太陽電池パネル裏のサーミスタにつながっ
ているんだ。

  受信機トレーにある大きな空きスペースは DVR (デジタル音声レコー
ダ) 用の場所だ。手前には4回線分のアップリンク受信機が配置されて
いる。デカい箱はプリアンプと入力フィルタだ。
  電力モジュールの中央に6つの表面実装デバイスがあるけど、これは
衛星側面の6つの太陽電池パネルを互いに分離するダイオードの代わり
に使われているパワー FET だよ。

  送信機トレーには2つの 70cm 送信機が手前に、青い結合器が後方に
配置されてるんだ。結合器の下には、見えないけど、多機能マルチモー
ド・プログラマブル受信機が配置されてる。これの底面を見せて抱えて
いる Mark の写真があるけど、3つのアンテナ端子にはダミーロードが
装着されていて、4つ目の "spigot" は測定機器に接続されてる。テー
プで貼りついてる配線は、底面太陽電池パネル行きの配線だ。
  底面中央の穴は L/S 帯アンテナ用。底面の4隅に見える円錐状の突起
は、接続クランプ類と一緒に、打ち上げロケットと Echo を接続するた
めのものなんだ。
  電源 off での各種チェックの後、僕たちは Echo の電源を入れて、こ
の衛星を SpaceQuest のコマンド局からの無線回線に接続してみた。70cm
ダウンリンクの 9600bps 信号のスペクトラム信号表示の写真が見えると
思う。

  Echo の革新的な新機能は、プログラマブルな姿勢制御マグネットだ。
過去のマイクロサットでは、全体的な姿勢制御は固定永久磁石で実現さ
れていたが、Echo の鉄俸電磁石で極性を変えることができる。S帯送信
機トレーに搭載予定の磁石制御ボードからのパルスがカメラのフラッシ
ュのように働くんだ。大容量のコンデンサに充電され、大電流の放電パ
ルスが電磁石を駆動する。強さと極性の方向は地上からコマンドで制御
できるんだ。
  方位磁石と電磁石の写真が5つ見えるのが、この機能を実験した証拠
だ。Bob が送った4パターンのコマンドに反応しているよね。質問を受
ける前にあらかじめ断っておくけど、これをどんな頻度で使う計画なの
かは、まだ全く未定だ。北半球と南半球とで極性を反転させるとか、そ
ういう形になるんじゃないかと思うけどね。

  最後に、ロシアの打ち上げロケット用の図面が2つ、写真にあるよね。
1つは Echo が搭載される位置。他の9つの衛星と一緒にカザフスタン
のバイコヌール宇宙基地から、旧大陸弾道弾ロケット SS-18 で 3/31 に
打ち上げられる予定だ。メイン・ペイロードの衛星は DEMETER と呼ばれ
ている。もう1つの写真は Echo とロケットとの接合部分の図面だ。

  Echo はもう実現真近だよ!。

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  Echo の資料を見ると、VHF 帯で4周波数を別々に受信できる FM 受信
機を搭載する他に、VHF 帯に限定されない他バンド受信機の搭載が計画
されていて、AMSAT-BB で話題になった PSK31 によるアップリンクも可
能となるよう計画されていて、FM マルチチャネルレピータ衛星や従来の
デジタル衛星としてだけでなく、PSK31 衛星としても使えるかも知れま
せん。70cm 送信機の出力は 7W、2台同時に使える設計だとか。
  また、V/U の他に L Up と S Downのペイロードも計画に入っているよ
うです。具体的な計画はまだのようですが、アンテナや機器の設置スペ
ースは確保済みみたいですし。

  V 帯の受信アンテナは 1/4 ホイップ、U 帯の送信アンテナはターン
スタイルで、どちらも衛星上面に搭載されるようです。ターンスタイル
は現時点では左旋回円偏波になっていますが、右旋回に変更することを
検討中だそうです。
  この他、pdf のマニュアルでは、衛星下面には3つのアンテナ装着が
予定され、1つは LF〜UHF の広帯域受信機用、あと2つは L/S 帯の
1/4 ホイップ用となっていました。が、前述の記事をみる限り、この部
分は少々変更されているのかも知れませんね。

  2004 年3月末の打ち上げとなると、もう1年ありません。何にしても
無事、この新しい衛星が軌道に乗ることを期待したいと思います。

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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
JF6BCC/KH2GR
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