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[jamsat-bb:13681] FM衛星のQSO成立判断について(2/2)


JF6BCC 今石です。

  1/2 からの続きです。

[3] そもそも RS レポートは無意味では?

    "無くてもいいけど、コールサインだけでは不十分"

    FO-29 等の SSB/CW 衛星と違って UO-14 などの FM 衛星では、受信する地上局
  の受信機のSメータを振らせているのは衛星の送信機からの一定出力の信号で、
  アップリンクの信号強度に左右されません。ですから RS レポートのうち S の信
  号強度は、交信相手に送るレポートとしては意味が無いことになります。
    また、東アジア上空を通過する FM 衛星は受信機の帯域一杯に、地上からの合
  法・違法の信号を受け、その状況は秒単位以下で刻々と変化しています。仮に、
  いわゆる「メリット5」で「JF6B…」まで取れて、その後の「…CC」が混信で潰
  れてしまった時、これをメリット3とか4とか評価してもあまり意味がありませ
  ん。加えて、同時送受信をしている訳ですから、自分のダウンリンクが相手にど
  う届いたかは、自分でも確認することができる訳で、シンプレックス通信のよう
  に、わざわざ相手に「了解度」を送ってもらう意味は無いのです。つまり、RS レ
  ポートの R もあまり意味が無い訳です。

    そうなると、RS レポート交換は無意味ってことになります。だからこそ、皆が
  皆、59 と決まり文句のように言うんですよね。

    だったら交換する必要は無いじゃないか、と言う意見はもっともだと思います
  し、uo14.net の記事にもある通り、RS を交換せず GL だけ交換している地域も
  欧米にあります。日本でも 2000〜2001 年頃、RS の代わりに GL を交換しよう
  と言う運動 (^^;) をやりました。…が、定着しなかったんですよね。
    定着しなかったのは、皆が「…59」と言うのが口癖になってしまったことや、GL
  だとしっかり聞き取らないと聞き取れない (^^;) こと、あるいは日本は W や EU
  と違って国土が狭く GL の数が少ない上、運用者が特定の GL に集中しているの
  で楽しくない (--;)、と言うことが理由ではないかと思います。

    いっそのこと、RS も GL も交換しないのも手です。この方が効率的とは思いま
  すし、確か DXCC のルールでは RS の交換は条件に入ってなかったと思いますの
  で、思い切ってコールサインだけ交換する訳です。
    しかし、実際に「コールサイン」だけの交信を想像すると、かなりつらいもの
  があるんですよ。送信者が誰であるかを特定する ID としてコールサインを毎回
  言うのが原則な訳ですから…

    10:01  JF6BCC  「JF6BCC」        
    10:02  JO2OXL  「JF6BCC JO2OXL」 
    10:02  7L1FPU  「JF6BCC 7L1FPU」 
    10:03  JH5FQC  「JH5FQC」        
    10:04  7N4IUR  「JF6BCC JH5FQC 7N4IUR」
    10:04  JF6BCC  「JO2OXL 7L1FPU JH5FQC JF6BCC」
    10:05  JH5FQC  「JF6BCC 7N4IUR JH5FQC」
    10:05  7L1FPU  「JH5FQC 7L1FPU」
             :          :

  うわあ…。傍で聞いてたら何やってんだか、皆目わかりませんぞな (--;)。そ
  れに、こんな神経衰弱的な運用スタイル、衛星やってないハムの目の前でやった
  ら、異質な世界だと思ってヒカれちゃいますよね。
    それに、「互いにコールを確認した」ら交信成立、応答の Roger は要らない、
  と言うことを突き詰めると、こんなスタイルも考えられるんです。

    19:12  JF6BCC  「JF6BCC」
    19:12  JO2OXL  「JO2OXL」
    19:13  HL2JFM  「HL2JFM」
    19:13  7L1FPU  「7L1FPU」
    19:15  7N4IUR  「7N4IUR」
             :

    …今日はロールコールですか? (^o^;)。でも、これ、全員が聞き取れていれば、
  全員が相互に交信したってことになっちゃいますよね。これはこれで面白い (^^;)
  とも思いますが、やっぱヘンです。

    また、FM 衛星の運用者てのはごく限られている訳ですから、長く続けている
  うちに、コールサインの一部、あるいは声の一部、変調音の一部だけで「あ、誰
  それが出てきた」ってわかってしまいますよね (^^;)。そうなると、互いにコー
  ルサインが聞き取れなかったのに、コールサインがわかるので、交信成立、って
  なことになる訳です Hi。

    そう考えると、コールサイン以外に何かひとつ、ある「情報」を交換すること
  を交信の成立条件にするのが妥当では無いか、と思う訳です。

    それにそもそも、無線による通信ってのは、相手のコールサインが取れるかど
  うかなんてことは、要件と言うよりも事前準備の一つに過ぎず、コールサインに
  よって互いに通信相手を確認した後、必要なメッセージを交換することが主目的
  な訳ですよね。
    アマチュア無線家も災害時には、被災地で電報などの中継をすることが期待さ
  れている立場な訳で (実際そうかと言う点はこの際おいておく)、だったら普段の
  交信でも、コールサインのほかに、少なくとも何か1つ「有意な」情報を交換す
  るべきだ、と思う訳です。

    で、まあ、私としては GL がそれに適切なんだ、と思うんですが、ちょっとや
  ってはみたけど定着しないし、RS レポート交換ってのは既に定着しちゃった感が
  あるし、衛星以外の運用者からも違和感を持たれないだろうしで、とりあえずこ
  れでいいんじゃないか (^^;) と、弱気な結論に達しています。あまり意味は無い
  けど、無いのも具合悪いから、交換することで交信は成立するんだよ、と、自ら
  に条件をつけるってことですね。
    別に、常に 59 しか送られないと言う点についても、それは受信する側の気持
  ち次第です。ちゃんと自分の耳に「ゴーキュー」とか「ファイブ・ナイン」とか
  聞こえるまでは、相手が 59 と送っているとわかっていても認めなければ良いの
  です。コールサインにしても、一部しか取れないうちは、たとえ相手が誰だから
  わかっても、全てのレターが聞き取れるまで、受信できたてと見なさないとか。
  また、いつも 59 とかじゃなく 47 とか 35 とか送っても別にいいと思いますし、
  そう送られたら、しっかりとそう受信すればいい訳で Hi。

# もっともこれは、空とぶシングルチャネル FM レピータである FM 衛星 特有の
# 話で、信号強度に重要な意味がある SSB/CW の衛星では別の話です。それに、AO-40
# で 59 とか 599 とか貰ったら「恥」ですよね。

  ちょっと長文になりましたが、以上です。駄文にお付き合いいただきまして、あ
りがとうございました。

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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
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