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[jamsat-bb:13471] XI-IV FMアップリンクに関して


XI-IV東大チームの中村さん、みなさま。
連日かつ早朝からの官制業務おつかれさまです。
アップリンク周波数の逆ドップラーと、アップリンク電力の
ケーブル減衰について私見を書いてみました。

                                    7N1JVW 藤田忠義 横浜市緑区
                 E-mail: FA7T-FJT@asahi-net.or.jp


東大チームの中村さんwrote:
> Subject: [jamsat-bb:13470] XI-IVの現状
> JAMSAT-bb 参加のみなさま
> こんにちは.東大チームの中村友哉と申します.
> 初めて投稿させていただきます.これまでこのメーリングリストに投稿
> させていただいてきました永島・大石・程が,現在3人ともみなさまに
(中略)
> 次にXI-IVの運用に関する情報ですが,基本的に,10分以上あるパスには
> FMアップリンクを試みています.最近は朝パスにはアップリンクが通る
> ことが多いのですが,夕方のパスにはなかなか通らない傾向が見られま
> す.東大の地上局設備に問題があるのかどうかも含めて,現在検討を進
> めている最中です.私どもはまだ未熟で,なかなか考えが至らない部分
> も多くありますので,もし皆様方でお気づきになられたことがございま
> したら,ぜひお教えいたければと思っております.


下記の事項は、すでに検討または実施済かもしれませんが・・・・

(1)アップリンク電力の同軸ケーブル減衰、反射について

2002年6月、JAMSAT有志による、貴航空宇宙工学部研究室の
見学と交流に参加させていただいた際、研究棟屋上に設置された、
145MHz帯と435MHzのアンテナ設備も拝見しました。

その際、官制局内の送信機からアンテナまでの同軸ケーブル長が、
数十メートルもあったように記憶しています。
仮に同軸ケーブルが12D-FSAで長さ50メートルのばあい、145MHz
での減衰量は2.7dBで、電力は半分ほどになります。

 (a)アンテナ給電点付近での進行波電力は充分でしょうか。
 (b)アンテナ給電点付近での反射電力は充分に少ないでしょうか。
 (c)あるいは、アンテナ給電点付近に送信電力増幅器を設置
  できないでしょうか。

(2)アップリンク周波数の逆ドップラーについて

すでにご存知のとおり、437MHzダウンリンクのばあいドップラー
周波数はおおよそ、

 AOS付近   +9kHz
 Max仰角時  0
 LOS付近   -9kHz

となり、これは受信すれば分かることですが、アップリンク周波数も
これに見合って逆補正すると、「通り」が改善されることがあります。
仮にアップリンク周波数が145MHzのばあい、衛星側の受信周波
数にあわせるには、

 AOS付近   -3kHz
 Max仰角時  0
 LOS付近   +3kHz

に設定し、つまりアップリンクとは+/-を逆にして、この間を連続的に
可変する必要があります。
これは数年まえ、ダウンリンク:435M帯、アップリンク:145M帯の
国産アマチュア衛星のJAS-1b、JAS-2、それに各種のデジタル
衛星が稼動していたころ、多くの方が経験したことです。

(3)アップリンク周波数の混信について

アップリンクが145M帯のばあい、日本や東アジアで衛星周波数帯
で強力に送信する違法局がおおく、これがアップリンクの混信にな
ことがあります。東京周辺では一般に、 

 東の空を飛行するオービットは「通り」がよく、また
 西の空を飛行するオービットは「通り」が悪い、

ことが経験的にあるようです。

多くの情報や問題点を公開し、協力を依頼される貴チームに敬意を
表し、お役に立つかどうか分かりませんが私見を書きました。
今後のご成功を祈念いたします。

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