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[jamsat-bb:12820] RE: [jamsat-bb:12818] CALSAT32+PICNICで衛星追尾、、教えてください。


石原さま、みなさま

 相田です。

 ARISS神戸をターゲットに準備をされているようで、ご苦労さまです。

 準備も万全を期す必要に迫られるので、大変だとお察しいたします。

 ご質問の件について、情報が不足する部分もありますので、そちらで行った実
際の
作業手順や設定等についてさらに情報をいただければ、問題は解決すると思いま
す。

 以下の記述は、ご質問の順番とは入れ替わっておりますが話の流れ上、ご了承
願います。



> -----Original Message-----
> From: owner-jamsat-bb@jamsat.or.jp
[mailto:owner-jamsat-bb@jamsat.or.jp]
> On Behalf Of Masaji Ishihara 石原正次 JH3BUM
> Sent: Monday, January 13, 2003 11:56 PM
> To: JAMSAT-BB
> Subject: [jamsat-bb:12818] CALSAT32+PICNICで衛星追
尾、、
> 教えてください。
> 
> 
> 
> JH3BUM石原です、
> 
> CALSAT32+PICNICで衛星追尾、、教えてください。


==========
> 使用環境は
> PCはP-133Mhz 32MBメモリー、WIN98SE
> ローターはKENPRO KR-400,KR500で、
> PICNCIコントローラー(北海道、トライステート製キット)と
> ローターの間YAESU GX−500インターフェイスでつないでいます。
> CALSAT32のバージョンは1.2.1です
> 
> コンピューターの能力が低いので計算に手間取っているのでしょうか???

○結論的にはより早いパソコンが快適ですが、この手のソフトにはちょっと時間
がたった
パソコンが活用? されるようです。

○CALSAT32では6個の衛星の位置を1秒ごとに計算しています。パソコンの速度
が
不足すると表示が毎秒更新されず、数秒ごとになる場合もありますが、正常な
動作です。また更新頻度が低いだけで問題ありません。 特にグラフィックの表
示
速度が遅いパソコンでは、衛星の航跡を初期設定状態で表示させると航跡が長く
なるに
つれて更新頻度が低下してきます。処理が遅いパソコンでは非表示に設定するこ
とを
お勧めします。

○また、アンテナのコントロールは、2秒毎に計算値を参照し、ローテータの方
位軸
と仰角軸の角度位置を示す電圧を読み取り、比較して上下左右の制御を行いま
す。
パソコンの処理速度が遅いと制御に遅れが出て、アンテナの回転が間に合わない
こと
になります。 しかし、低軌道衛星が頭上を通過するような急激に変化する場合
でも
144MHzや430MHzのアンテナのビーム幅を考えれば問題にはならない
と思
います。 アンテナ制御で一番厳しい条件はローテータの回転限界(回転起点)
にか
かり、方位角が360度変化する時ですが、Az,Elの制御方式の欠点(弱
点)で、
計算速度の問題ではありません。

 
==========
> アンテナコントロールパネルに表示される方位、仰角の値が
> CALSAT32のメイン画面に表示される値とだいぶずれて表示
> されるのですが、何ででしょうか??

 「コントロールパネルの設定と変更」で事前の設定が必要です。


**********
 正しい設定を行うために次のことを確認してください。

○ローテータの回転の起点と終点の確認
 方位のローテータでは左に回しきった位置が、仰角のローテータでは水平位置
が
回転の起点(0度)になります。 また、方位のローテータでは起点から右回り
に
360度回転した位置が、仰角ローテータでは天頂方向に向いた位置が回転の終
点に
なります。 ここでは、方位のローテータでは起点が北を向いていても、南を向
いて
いても、ローテータの回転軸の始点と終点で考えてください。 この時点で、
ローテ
ータの角度表示と実際のアンテナの向きが一致するようにローテータの取り扱い
説明書
にしたがって調整しておく必要があります。

○ローテータの起点と終点における角度に対応した出力電圧の確認
 CALSAT32ではPICNICをアンテナ制御のインターフェースとして利用するため、
ローテ
ータの角度電圧がPICNICの電圧入力範囲内(0〜+5V)になくてはなりません。
マイナス
の電圧や+5Vを越える電圧は取り扱えませんので範囲外である場合にはレベル
変換等の
回路を追加する必要があります。 お使いのYAESU GX−500の規格を
確認して
ください。

○ローテータの角度に対応した電圧出力は安定しているかの確認
 ローテータの内部のボリュームにガリオーム等がある場合には、安定した制御
を行う
ことが出来ません。 また、送信電波の回り込み等によって不安定になる場合も
ありま
すので、「コントロールパネルの設定と変更」にあるA/Dコンバータの入力電圧
表示で
実際に安定で、回転とともに滑らかに変化することを確認してください。


**********
 ローテータの方位軸、仰角軸の位置に対応する電圧を設定します。

○「コントロールパネルの設定と変更」からPICNICのアドレスを正しく設定した
後、
「A/D変換開始」ボタンを押します。 PICNICとの通信が正しく行われると「入
力(V)」の
欄にPICNICが読み込んだ角度に対応する電圧が表示されます。 もちろん、事前
にローテ
ータのコントローラとPICNICの結線を正しく行っておいてください。

○方位のローテータの回転角度を起点(0度)に向けます。「入力(V)」の電圧
表示が
スムーズに変化し、0Vまたは0V付近のプラス電圧であることを確認します。 
その後、
方位軸の「0度」のボタンを押すと「入力(V)」に表示されている値が「0度」
下の表示
欄に設定されます。 同様に回転角度を終点(360度)に向けます。「入力
(V)」の
電圧表示が5Vまたは5V以下の5Vに近い電圧であることを確認します。「36
0度」の
ボタンを押して電圧を取り込み、設定します。 出来る限り0〜5Vの入力範囲
を広く使う
ことが望ましいのですが、0〜5Vの範囲で(0度の電圧 < 360度の電
圧)の関係に
なっていれば制御は可能です。 なお、(0度の電圧 > 360度の電圧)の
関係に
なるローテータコントローラの場合には、左右のコントロールを入れ替える変更
が必要に
なります。

○仰角のローテータについても(0度)と(90度)における電圧を上と同様に
設定し
ます。

○これまでの設定で、実際のアンテナの向きと「コントロールパネル」の方位軸
と仰角軸
の角度表示が一致することになります。 ここで注意することは表示される角度
はローテ
ータの起点からの回転軸の角度であることです。


**********
 ローテータの起点(0度)の方向を北または南に設定します。
 
○「コントロールパネルの設定と変更」からローテータの起点の向きを設定しま
す。「N」
または「S」をクリックして選択してください。 もちろんローテータを0度に
設定して
アンテナの指向性を選択した向きの正しく合わせる必要があります。

○方位のローテータの起点の位置を北に向け、自動制御が正しく行われた場合に
は、「コン
トロールパネル」に表示される角度表示はCALSAT32のメインパネルで表示する方
位とほぼ同
じになります。 ただし、「コントロールパネル」上で設定されているアンテナ
制御誤差の
許容値(初期設定では10度)以内の差が残ることを理解してください。

○方位のローテータの起点の位置を南に設定した場合には、180度異なること
になるので
表示の意味を理解してください。 また、お使いのローテータのコントローラの
表示パネル
が、北が0度で±180度である場合には、0〜−180については180度〜
360度に
読み替える必要があります。 起点を南とすることを前提にした表示のローテー
タの起点を
北にして使った場合にも読み替えの問題は避けられません。(自作のパネルに入
れ替える)

○方位角は北を0度として変わりません。ローテータの起点が向く方位として、
現在は北と
南を選択することが出来ますが、東でも西でも良いと思っています。その場合で
も方位の
ローテータについての回転軸の角度の考え方は起点からの角度とし、その角度を
示す電圧を
設定する方法として起点(0度)と終点(360度)の2点とする考え方は変わ
りません。


==========
>  また、衛星追尾中に、パスの前半はうまく追いかけているのですが
> TCAの少し前ぐらいから、追尾り表示のくさび型、の表示が
> (PICNICが1秒ごとに位置を計算しているようですが、)<<−−計算
しません。
> 計算のたびに、衛星のいる位置の前後をいったりきたりし始めます。
> それが、TCAを過ぎてパスの後半になるとこのくさび型の表示位置
> の範囲が大きくなり、水平ローターの数値で+−10度以上になり、

○実はプログラム的にはくさび型ではなくて扇形を描いています。

○扇形の表示は実際のアンテナの向きと、制御誤差の許容値の大きさを示してい
ます。制御
誤差の許容値を大きくすると開きが大きくなります。制御中に許容値を手動で動
かさなけれ
ば、扇形の開き角度は変わりません。ただ実際には仰角が高くなった場合には扇
の大きさが
小さくなる(扇の弧の部分でアンテナの仰角位置を表示している)ので開き角度
が小さくな
ったように見えるのかもしれません。また、逆に仰角が低くなると扇の大きさが
大きくなる
ため開き角度が大きくなったように感じられるのだと思います。


==========
> アンテナが衛星の位置を挟んで行ったり来たりします。
> 
> 追尾の誤差を最小にしてやるとだいぶマシですが、LOSの直前は
> やはり+-の幅が8度くらいでアンテナが左右に振れます。
> 仰角ローターの動作は問題ないようです。

○どの程度の正確さで追尾できるかは、いろいろな要因を考慮しなくてはなりま
せん。また、
実際に使われているローテータには回転速度などに差があるため最適な条件は
個々に異なり
ますが、CALSAT32では一般的な市販のローテータを使う場合を想定して制御を
行っています。

○アンテナの自動制御動作は、実際のアンテナの位置を示す扇形の幅と先端の弧
から計算位置
(方位仰角表示の衛星の計算上の位置を示す○印)が大きくずれている場合には
ローテータを
連続的に回転させます。 計算位置とアンテナの向きの差が小さくなると間欠的
に回転させ、
実質的な回転速度を低下させます。 さらに回転許容誤差内に入ると誤差を監視
し許容誤差内
に入るように微調整を継続しています。

○特別に回転速度が速いローテータでは、過回転で制御が収束せず計算位置の左
右を行ったり
来たりの状態になります。 このときローテータの制御は右へ左へと交互に繰り
返すことにな
ります。しかし、1回転/1分 程度のローテータではまったく問題ありませ
ん。

○方位仰角の変化が少ない衛星ではローテータの回転速度を落として制御誤差許
容量を小さく
すると追尾の精度をあげることが出来ます。 回転速度が速いローテータやバッ
クラッシュが
多かったりする場合に制御誤差許容量を小さくしすぎると制御が収束しないこと
もあります。
もちろん、角度検出用のボリュームがガリオームなっていないことや電波の回り
込みや雑音の
影響を受けていないことが前提になります。

○ご質問の「追尾の誤差を最小にしてやるとだいぶマシですが、」の記述はこれ
までの制御の
考え方からすると矛盾していて、角度を示す電圧が安定に変化していないなどの
原因も考えて
おく必要があるかもしてません。


==========
> それから、、TrackBoxのようにフリップモードに対応していません
が、
> 南側を横切るパスの場合はどういう風に対応すればいいのでしょうか??

○フリップモードとは仰角ローテータの90度から180度を使って、方位角の
ローテータ
の動きを少なくする方法でしょうか。 実際に使っている方の感想をお聞きした
いです。

○ご質問の「南側を横切るパスの場合の対応」ですが、ここで言うところのロー
テータの起点
が南に向いている場合では、衛星が真南を横切った直後に方位を360度瞬時に
回転させない
と完全に追尾できない問題だと思います。 実際、機械的にはそのようなことは
出来ないの
で何らかの対策が必要になります。 交信する時のISSのパスがわかっているの
であれば北側を
通るか南側を通るかが予測できるので、衛星が北側を通るのであればローテータ
の起点を「南」
に、衛星が南側を通るのであれば「北」に設定すれば360度瞬間回転を避ける
ことが出来ま
す。 入間のARISSでは交信日時が変更になって、ここで言うところのローテー
タの起点を
180度変更する作業があったと聞いていますし、十分に予想される作業と認識
しておく必要
があると思います。 


==========
> 次回のARISS神戸に使うために動作チェック中で悩んでいます。
> なお、本番では水平仰角一体型のコントローラーを使用します。
> 
> お使いの方、、ご教授ください。
> よろしく



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