[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[jamsat-bb:10348] Re:T88FSと交信成功@UO-14


JF6BCC 今石です。

At 2001/11/26 15:57:20  koiti wrote:
> 犯人はどうも私(JA3CIR)のようです。折角のDXチャンスを潰してし
> まうなんて、アマチュアの風上にも置けない行動だと思っています。

  岡さんの名誉のために申し上げますが、犯人は岡さんではありません (^^;)。
UO-14 をある程度長く運用している方には、どの局が「犯人」なのか、見当が
つくと思います。交信中の他局を上から CQ でツブしたり、他局の交信の隙間
で CQ を出し続けていたのが聞こえたり、DX 局に対するパイルアップが始まっ
ているにも関わらず突然 CQ を出したりする局です (--;)。

  今回の T8 は、仕方ない面があると思います。FM 衛星に出てきている人が皆、
JAMSAT-BB の読者と言う訳ではないでしょうから、T8 が出てくることを知らな
いで、いつもの調子で (この「いつもの調子」と言うのも、検討の余地アリで
すが) CQ を出してしまった方、あるいは連休で、AO-40 の姿勢も悪くなって交
信しづらくなったので、たまには UO-14 に出てみようか、と言う局が「たまた
ま」集中してしまったことなどが、JA 局の CQ が多数出てきてしまった原因だ
と思います。
  それに、T8 側のアップリンクも弱かったですしね。私や江崎さんはたまたま
南西日本に居て、T8 からの QRV に早く反応できたのでラッキーだったのですが、
T8 側がもっと強力なアップリンクを上げていれば、他の局にも存在が確認でき
て、CQ ではなく T8 局に対するパイルになっていただろうと思います。もっと
も、福島さんは衛星運用を主体にするつもりで移動した訳じゃないでしょうか
ら、文句を言える筋合いはありません。

# 結局 AO-40 への QRV が無かったところを見ると、機器のトラブルで苦労さ
# れていたのでは、と思います (^^;)。

  あの時はよっぽど「T8 が出てるよ」と UO-14 上で言おうかとも思ったんです
が、何しろ、ただでさえ QRM の強い西向けのパスで、自分のアップリンクが満
足に通らない状況で、どうしようもありませんでした (^^;)。

> 考えるに、ニューカマーの陥りやすい大穴に填り込んだようです。

  せっかくなので、FM 衛星を運用されている皆さんに提言したいと思います。
受信能力の良し悪しに関わらず、CQ の連発はやめましょう!。

  FM 衛星に対してループテストを行うと、いかに「アップリンクが通りづらい」
かが実感できると思います。私の場合、西向けパスで自分の声をダウンリンクに
乗せられる確率は2割かそこら、比較的混信の弱い東向けでも5割あるかどうか
です。そういう状態では、誰もが CQ に対する応答に苦慮しています。
  そんな中、応答が無いからと、すぐに CQ を続けて出すと言うことは、既に CQ
に対して応答しようと構えている局に対して、アップリンクするチャンスを削る
だけで、何の効果もないと思いませんか?。

  私や JO1FEF, JA2NLT, JA4GVA, JA6BX 局などの交信を聞いていると、必ずしも
直近の CQ に応答しているとは限らない、と言うことに気付かれると思います。
パスの前半2分目の CQ に対して、パスの中ごろ 7 分目に応答し、その返答をパ
スの後半 12 分目に受けている、と言うスタイルを、ごく自然に行っています。
アップリンクが連続的に安定する可能性は低いので、最初から断続的になること
を前提にした交信スタイルを取っているのです。
  確かに、FM 衛星が視界に入るタイミングは、日本各地で様々で、1回の CQ だ
けでは全員に届かない可能性もあるでしょう。とは言え、実際にトラッキングソ
フトを使ってみると、日本全体がまるまる視界に入っている時間と言うのは結構
長いことに気付くと思います。つまり、自分の1回の CQ が、日本全国に無事届
いている確率は、結構高いのです。何度も CQ を出す必要が、本当にあるのでし
ょうか。

  自分の CQ が1回、自分の耳にしっかり聞こえたなら、その1回の CQ を良好
に受信した相手は少なくない、と期待して、CQ をそこでやめてはどうでしょう。
もし、誰か応答したい局が居れば、直後か3分後かわかりませんが、その局のア
ップリンクが通るチャンスに応答してくるでしょう。その時、自分がやめた CQ
連発の時間は、他の局が応答あるいは CQ を出すチャンスとして有効に利用でき
ることになるのです。
  1回で不安なら、1〜2分ほど間をあけて再度 CQ を出せば良いでしょう。そ
れに、CQ を出さなくても、誰かに応答する信号を受信して、呼んでくることだっ
てあるのですから。そして、その自分の1回の CQ を聞き逃すことのないように、
受信性能を上げることに努めていただきたいと思います。

  CQ を連発する局の心理としては、自分のところで受信が不安定なのだから、他
の局でもそうだろう、となれば、何回も繰り返し CQ を出して、コールサインを
確実に相手に送る必要がある、と言うことかも知れません。が、自分のところの
受信能力が標準だと考えるのは禁物です。自分が聞こえていない時間には、誰か
が電波を出しているかも知れないのです。そこに CQ を出せば混信になり、相手
には迷惑を書け、自分の評判も落とすことになるかも知れない、と考えるべきだ
と思います。

  あと、単一偏波式のアンテナで受信されている方は、円偏波、あるいは偏波切
り替え式のアンテナで受信することを、強くお勧めします。個人的には、単一偏
波式の場合は CQ を出さない方がいい(応答に徹すべき)、と思っている位です
ので (^^;)。

  UO-14 の場合、本来なら重力懸垂ブームによって姿勢が安定され、偏波の変動
はさほど激しくないはずです。が、今年に入ってからの UO-14 のダウンリンク
は、偏波の変動がかなり激しくなっています。AO-27 に比べると、その変動がい
かに大きいか実感できるでしょう。ひょっとしたら、重力懸垂ブームが機能せず、
衛星が回転してしまっているのかも知れません。
  単一偏波のアンテナの場合、偏波が 45 度傾くまでは、受信信号は -3dB の低
下にしかなりません。が、それ以上傾くと信号は一気に弱くなってしまいます。
つまり、単一偏波の場合、受信可能なチャンスは全体の半分しかなくなってしま
うのです。無論、変動がゆっくりしたものであれば、一定時間は安定した受信が
できるので、その間に交信を済ませてしまうことも可能でしょう。が、UO-14 の
ダウンリンクの偏波は変動が激しいので、応答している間に通らなくなってしま
う可能性が高いのです。もしここで、垂直・水平切り替え式のアンテナが使えた
らどうでしょう?。受信信号が -3dB 以上落ち込むことは、少なくとも偏波が原
因の QSB である限り、無くなるのです。受信できるチャンスは一気に倍になり、
伝播性 QSB 以外に聞こえなくなるケースは殆ど無くなります。

  偏波切り替え式、と言っても難しく考える必要はありません。今、お使いのア
ンテナが垂直偏波なら、水平偏波のアンテナを1本増設して、同軸をシャックに
引き、同軸切り替え機か何かでパチパチ切りかえるようにすれば、それでできあ
がりです。切り替えが面倒なら円偏波にする手もありますが、手軽さと言う点で
は切り替え式の方が優れていると思います。
  垂直と水平とは、同時に使う訳ではないので、両方のアンテナが同性能である
必要はありません。既に使っている仰角ローテータ付きの 15 エレ垂直スタック
の脇に、手製の6エレやマスプロの8エレを水平に取りつける程度で十分なので
す。仰角ローテータの上に余裕が無いのなら、仰角固定でマストに固定したって
いいでしょう。うちは6エレ八木を仰角 25 度固定で使っていますが、衛星が真
上に来るほんのわずかのチャンス以外に、不自由を感じることはありません。

  現在、垂直または水平偏波のみのアンテナで受信されている方は、一度、だま
されたと思って、偏波の違う受信アンテナを増設して、切り替え式を試してみて
下さい。その劇的な効果にビックリすると思いますよ。
  ついでに、送信の方も偏波切り替え式にできると、自分のアップリンクが通る
確率も飛躍的に高く出きると思います (^^)。

  長くなってしまいました。では。

- -  
Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市  
JF6BCC, KH2GR (ex. T88J, T88IY, V63BP)  
jf6bcc@jarl.com or jf6bcc@jamsat.or.jp  
<http://plaza16.mbn.or.jp/~palau/>      
- - 
この電子メールは100%再生電子を使用しております。:-) 
    

-------------
JAMSAT BB Mailing List
http://www.jamsat.or.jp/infoserv/mlist.html