[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[jamsat-bb:10027] 提出意見(Re: パブリックコメントの募集)


JF6BCC 今石です。

At 2001/10/26 00:30:26 Satoshi Yasuda wrote:
> > http://www.soumu.go.jp/s-news/2001/011025_3.html
中略
>  皆さん、是非意見を出して頂けますでしようか。 本省もあまり事情を理解
> していないようにも思えますので。

  以下のような意見書を作成して、amateur@soumu.go.jp へ発信しました。皆さ
んの意見書作成の参考にして下さい。
  なお、文章を利用していただくのは構いませんが、まったくのコピーでは、担
当者が重要視しないかも知れませんので、できるだけ表現を変えて文書を作成さ
れることを希望します。

- - - - -
                                                    平成13年10月26日 
総務省総合通信基盤局
移動通信課第二業務係あて

                                      804-xxxx 福岡県北九州市戸畑区xxxxxxxx
                                                                   今石良寛
                                             アマチュア無線局 JF6BCC 免許人

アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別の変更に対する意見: 

  ※改正要旨
    144.1〜144.5MHz の部分について (注15) を追加する。
    (注15)内容 => (15)の周波数のうち、144.49MHzの周波数で、国際宇宙
          ステーションと通信を行う場合は、注1の規定にかかわらず、占有周波
          数帯幅が40kHz以下のものにも使用することができる。 

  国際宇宙ステーション (ISS) からの運用が開始されて1年、ようやく日本のア
マ無線愛好家にも、FM 音声による交信の可能性が出てきたことに喜んでおります。

  さて、告示が改正されること自体は賛成ですが、告示の内容については、「国際
宇宙ステーション」に限定せず、例えば「(15)の周波数のうち、144.300〜144.500
MHz の周波数における宇宙無線通信を行う場合には、注1の規定に関わらず、占有
周波数帯域幅が 40KHz 以下のものにも使用することができる」と言った記述が望
ましいと考えております。以下にその理由を述べます。

(1) 「国際宇宙ステーション」と言う表現では、国際協力に基づく有人宇宙基地に
  対象が限定されてしまいます。宇宙施設には、ステーションのほかにもシャトル
  やカーゴロケットがあり、また、旧ソ連の宇宙基地ミールのように、国際協力に
  寄らないものもあります。ご存知の通り、ミールは失われてしまいましたが、ロ
 シア国内には自力での宇宙ステーション建設の意見が根強く残っていて、単独で
  の宇宙基地建設の可能性があります。
    今後、新たな宇宙施設が建設され、また新たな有人探査船が飛翔するたびに、
  告示の改正によって対象を追加していくことは非現実的です。長期に渡り運用が
  継続する宇宙スーテションであればともかく、数日から数週間程度しかミッショ
  ンのないシャトル・カーゴロケットや、数ヶ月程度しか寿命の無い実験衛星など
  のケースも考えると、今回のように、最初に地方電監 (現総合通信局) へ改正の
  要望を提出した 2000 年秋から、改正までに1年近くもかかる手続きを取ってい
  たのでは、対応できなくなります。告示の文言を、特定の施設に限定せず、宇宙
  施設全般を指す表現にしておくべきと考えます。

(2) ハム先進国の米国では、144.300〜144.500MHz の周波数は、衛星通信用サブバ
  ンドとして定義されています (*1参照)。これは、アマチュア衛星通信業務として
  世界的に割り当てられた帯域でははなく、米国を含む南北米大陸のみのものです
  が、国際宇宙スーテションが ITU の第1地域(欧州・アフリカ・ロシア)を除
  く地域で 144.49MHz を使用している理由の一端は、実はここにあります。
    この帯域では他にも、米海軍大学校 (U.S. Naval Academy) が今年9月に打ち
  上げた PCsat と言う、GPS 観測結果の位置情報の中継実験を行う人工衛星が、
  144.39MHz で運用され、日本上空でもその信号を受信することが可能です。国際
  的に認知された 145.800〜146.000MHz の帯域は、既に多数の人工衛星や宇宙施
  設で利用され、満杯状態に近く、今後、特に米国が主導となって実施される宇宙
  計画では、このサブバンドの利用が増加するものと予測します。
    宇宙空間に国境はなく、既に衛星通信で利用されている以上、日本国内でこの
  帯域で衛星通信を制限する積極的な必要性はないと考えます。むしろ、衛星通信
  に限定して、必要に応じて利用できる仕組みを整えた方が、科学技術振興と言う
  目的にかなうものと考えます。
    また、該当の周波数帯域は現在、SSB 波を利用した地上の遠距離通信に利用さ
 れる帯域ですが、主に利用されているのは 144.300MHz より下であり、かつ、
  144.300〜500 を使用する可能性のある衛星・宇宙施設は、高度 1,000km 以下の
  低い軌道を周回するものに限定されます。この軌道を周回する衛星が1度のチャ
  ンスで見える時間は、最大でも 15 分程度(国際宇宙ステーションは 10 分程度)、
  1日のうち4回(多くても6回)程度のチャンスしかありません。この程度の使
  用頻度であれば、地上波の遠距離通信との「すみわけ」は問題無く可能と考えま
  す。

    *1 米国の 144MHz 帯内のバンドプラン
    http://www.arrl.org/FandES/field/regulations/bandplan.html#2m

(3) 告示の表現にある「144.49MHz zの周波数で、国際宇宙ステーションと通信を
  行う場合」を厳密に解釈した場合、20F3 (F3) 電話で送信する場合のキャリア周
  波数は 144.49MHz に置かなくてはなりません。しかし、人工衛星は高速で移動
  していますから、発生するドップラーシフトの影響を排除するため、送出信号の
  周波数を±3KHz 程度操作する必要があります。
    帯域 40KHz 内に収まると言う解釈で、実際に運用することは可能かも知れま
  せんが、特定の周波数を指定せず、使用可能な周波数を「幅」で指定する形にで
  きれば、この解釈の問題は発生しません。前述 (2) の理由も含め、特定周波数
  での除外規定とするのではなく、特定周波数「帯」の除外規定とするのが適切と
  考えます。

  以上から、告示の改正内容については、国際宇宙ステーションに限定せず、広く
宇宙施設全般を現すものにするべきと考えます。また、144.49MHz に限定せず、
144.300〜144.500 の帯域全体を、宇宙無線通信に限定する条件をつけた上で使用
可能とするような内容へ拡充することを希望します。

  意見が改正される告示に反映されることを希望します。

- - - - -

  (3) は「コジツケ」の感がありますが、少しでも我々に取って有利な形にする
ための理由として、追加で記述しました。

では。
- -  
Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市  
JF6BCC, KH2GR (ex. T88J, T88IY, V63BP)  
jf6bcc@jarl.com or jf6bcc@jamsat.or.jp  
<http://plaza16.mbn.or.jp/~palau/>      
- - 
この電子メールは100%再生電子を使用しております。:-) 
    

-------------
JAMSAT BB Mailing List
http://www.jamsat.or.jp/infoserv/mlist.html