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[jamsat-bb:9897] ローテータ修理顛末記


JF6BCC 今石です。

  昨日の「本日の〜」に書きました、中古のローテータ KR-400 と KR-500 につい
ての顛末記です。

  ケンプロの仰角ローテータ KR-500 中古について、欠品のマスト取付用クランプ
4個と、腐食したベアリング鉄球の交換パーツの取り寄せ可否を、昨夜のうちにケ
ンプロ工業の Web ページ経由で問い合わせおいたのですが、早速、今朝にメール
で返事がありました。どちらも在庫があり、鉄球は1個単位でも取り寄せができる
とのことでした、ラッキー!。
  早速、代金を送金することにします。今週末には仰角ローテータが復活するかも
知れません。新品を買えば4万円以上するシロモノですから、わずかの補修で動く
ようになるなら万々歳です。

  今回、KR-400 と KR-500 を分解して感じたことですが、どちらも内部は非常に
単純で、素人でもその気(と自己責任の覚悟)になれば、補修はさほど難しく無い
ですね。ギアはアッセンブリーとしてユニット化されていますし、砂などの異物で
も入るか、無理な力で欠けるかしない限り、そうそう異常になるものには見えませ
ん。モータも簡単に取り外せる構造ですから、仮にモータが断線していても、交換
部品さえ手に入るなら楽に交換できます。
  ベアリングは、本体そのものをベース(ガイド)に、上下(KR-500 の場合は回
転軸周りの左右)に鉄球が並んでいる構造で、アッセンブリー化はされていません。
鉄球が腐食や破損をしていても、1個単位で交換ができますし、ケースはきちんと
表面処理がされていませんから、鉄球の腐食により固着してしまう危険性もあまり
無さそうです。縦置きになる KR-500 には、ステンレス製の鉄球支持金具がついて
いて、分解しても鉄球がパラパラとこぼれ落ちる危険性も無さそうです。なかなか
メンテしやすい構造で感心しました。さすがプロの製品ですね。
  組みたてで注意が必要なのは、KR-400/500 とも、物理的ストッパの位置と、回
転量検出のポテンショメータの位置の動機をきちんと取ることですね。適当に組み
つけてしまうと、360 度回らないうちにストッパが働いたり、指針のマイナス方向
にまで回ってしまいます (^^;)。このあたりは言葉では説明が難しいところですけ
ど…。

  それと、KR-500 の不動の原因は、フリクションディスクの固着でした。これは
モータの回転軸に取りつけられている、薄い円盤を数枚重ねたものです。KR-400/
500 に使われているモータは、回転時には回転軸が少し飛び出す構造になっていて、
フリクションディスクもこれに合わせて浮き、フリーに回転します。で、回転が止
まると軸が引っ込むので、フリクションディスクがモータを固定しているベースの
表面に接触します。このわずかな接触摩擦によって、モータ軸がギアから回転する
のを防止し、ギア経由での制動力を生み出すようで、実にうまくできています。
  が、内部に砂や水などが侵入することで、このフリクションディスクとベースと
が接触したまま固着してしまうと、モータの起動パワーで軸を浮かせることができ
なくなります。結果、ギアが回らず、ローテータは動作しなくなる、KR-500 はこ
ういう状態でした。固着と言っても、手でつまんで浮かせると「パリッ」と言う軽
い音とともに剥離し、以後は問題無く動作するようになりました。他社のローテー
タ内部についてはわかりませんが、ケンプロの中・小型ローテータの内部は殆ど同
じ構造だと思いますので、中古の、長期間使用しなくて動かなくなったような奴で
あれば、同様にフリクションディスクの固着がモータが起動しなくなっただけかも
知れません。手放す前に一度点検されるといいかと思います。

  なお、ベアリングの鉄球とベースのガイド部分の潤滑には、自動車整備用のモリ
ブテングリース(灰色)を使用しました。大概の DIY ショップで 500g 入り程度
のものが 400 円あたりで売っていると思います。

  KR-400 については、例のポーラーマウントの駆動用に、と考えたのですが、内部
構造を見る限り、水平設置以外は考慮されていません。水抜き穴も底面の中央にし
か空いていませんので、わずかでも斜めに設置すれば、水がたまってしまう構造で
す。実際は、ベアリング部分を水が通過しにくい構造になっているので、少々の傾
きなら問題無さそうですが、AO-40 用のポーラーマウントは 55 度近く傾けること
になりますから、ベアリングの回転部分から水が侵入することは避けられそうにあ
りません (^^;)。
  水抜き穴は別途、斜めの位置に空け直すことで何とかなるにしても、水が内部に
侵入すやすい構造では、モータやギアに悪影響が出そうです。単純に、水平ローテ
ータを傾けることでポーラー・マウントを実現しようかと考えていましたが、少々
考えを改めないといけないようです (--;)。

  さあて、どうしようかな (^^)。

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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
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