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[jamsat-bb:8797] ショートスタブ


1/4λのヘアピンショートスタブを提案させていただいたのは
私ですが、再び話題になっているようですので、少し説明を
追加しておきます。

接地された1/4λの先端はインピーダンス∞なので目的周波数では
無いに等しい事は前回お話したとおりです。 その特性ですが、
2.4GHz 50Ωの信号ラインを90Ωの1/4λでショートした場合、-2dB
低下するのは下が約500MHz、上が4.3GHzです。 えらくブロード
なので私もいいかげんな寸法で済ませています。 反面、バンドパス
フィルターとしての効果はほとんど期待できないので、隣接送信
アンテナからのオーバーロード対策としては1.2GHzはおろか、
430MHzも期待できないでしょう。 
LNA等で心配なミスマッチの発生ですが、これによる反射が
-20dB以下となるのは約1.85GHz〜3GHzです。
(Sパラメータでは -19.64dB/26.7°@1.85GHz ,-19.16dB/151.9°@ 2.98GHz)

ヘリカルアンテナの場合は低い周波数で立派なロングワイヤ
となるのでこのヘアピンショートは特にお勧めです。 私も
45cm offset-dishの2.5t helixおよび1.2G 24turn helixの給電点に
1/4λヘアピンショートを入れています。

バンドパスフィルターとしての性格を少しでも出したいのであれば
信号ラインを1/4λの先端でなく、中間タップとすれば帯域は
狭くなります。 1/3の位置にした場合の-2dB帯域は約1.3GHz〜
3GHzです。 上側が狭くなるのは2/3部分が1/4λオープンシャント
として動作するためで、この場合3.59GHzに深いディップが
生じます(つまり3.59GHzのトラップ)。
ロスが心配なフロントエンドで無調整を試みるならば、タップの
位置は1/2かせいぜい1/3程度にとどめたほうが良いでしょう。

適当な線材をグランド面の近くにと言うことでラインインピーダンス
90Ωで計算しましたが、低いインピーダンスでは帯域が狭くなります。
1/4λショートスタブのラインインピーダンスを50Ωで作った場合の
-2dB幅は、約0.89GHz〜3.9GHzになります。

少しくどくなってしまいましたが、何かの参考になれば幸いです。

de JA1JRZ  鶴見