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[jamsat-bb:8320] Re: [jamsat-bb:8319] Re: 理不尽な・・話 & ドプラー補正 あれこれ


JR6LDE 三ヶ島です。

江崎さん、いつもお世話になります。

みなさんのご意見を参考にしていきたいと思っています。
今回は「副産物」も大きく、良い勉強をさせて頂きました。
貴重なお時間を頂きありがとうございました。

> JR6LDE 三ヶ島さん、
>
> この件に関しては、いろいろな意見が出始めていますので、
> 以下は、私の限られた経験・理解に基づいた意見と受け止め
> てください。
>
> > でも、有る程度固定の周波数で運用している局の上に自分が
> > 移動して入っていくのですから、動いて来る方が注意を払うべ
> > きではないでしょうか。この論理は衛星波では成り立たないの
> > でしょうか。
>
> その「固定」というのは、あくまでも「受信固定」を行っている局の
> 立場で、実際にはアップリンクを動かして居る訳ですから、「送信
> 固定」で運用している方の立場で言えば、自分は固定運用してい
> て、ドプラーは物理法則による自然現象で動いているいる訳です。
> 一方、受信固定のための補正は人為的に行っている訳ですから、
> 混信を避けるのは人為的に動かしている方で行ってしかるべきで
> ある、という言い分もあると思います。もっとも三ヶ島さんが経験さ
> れたQRMが、これに相当するかどうかは、全く判りませんので
> 念のためお断りしておきます。
>
> > そうするとFO衛星では「送信固定」が一般的と言う事になりま
> > すね。
>
> 「ドプラー補正はアップリンク・ダウンリンクに関係無く、高い周波
> 数側で・・」という欧米の慣習に沿えば、その通りです。しかし、前
> にも言いましたように、コンピュータによる自動補正(7K4iiN局に
> 代表される)が無かった時代の慣習ですから、当然見直して良い
> 時期に来ていると考えます。
>
> > ある時FO−29でCQを聞きつけて応答したところ、「受信固定
> > でお願いします。」と言われ、そのようにしました。ところがその
> > 相手の局の周波数がどんどん動いていき、聞こえなくなってし
> > まったので、追いかけて行ったところさらに「受信固定で・・」と
> > 言われてしまい、じっとしていたら聞こえないしどうしたものかと
> > 悩みました。なぜ「受信固定」で運用されている局の周波数が
> > どんどん動いていってしまうのか。私は自分の運用方法が正しい
> > のかどうかは分かりませんが「受信固定」と言われたので常に
> > VFOに手をかけてダウンリンクが同じ周波数で聞こえるように
> > 動かしています。相手方もこうやっているハズなのだから、同じ
> > 周波数にダウンリンクしてくるのではないでしょうか。
> > これは間違った考え方でしょうか。
>
> ここが、この議論のキーポイントです。 確かに、相手に合せた瞬
> 間には同じ周波数になっていますが、その後は自局のダウンリン
> クを聞きながら周波数を一定に保つように操作しているのが一般
> 的なため、ドプラーが違う相手局に対して受信固定になっている
> 訳ではありません。次に相手局の番になった時に、相手局はその
> 間に発生したズレを補正し、そこから今度は先方が自分のダウン
> リンクで一定にすると、こちらにはズレてしまう・・・  それを「イタチ
> ごっこ」と私が表現したところです。 もし本気で相手局に対して受
> 信固定にするとしたら、QSOに先立って相手のロケーションをコン
> ピュータに入れてドプラーを計算し、QSO中はそれに従って補正
> するしか有りません。理論的には可能ですが、実用的ではありま
> せん。
> それとは別に、QSOする局同士が常に同じ周波数で聞こえるた
> めには、衛星に対して同一周波数でアップリンクする必要があり
> ます。そのためにはアップリンク周波数(FO-29では145.9xxMHz)
> に対するドプラーを、それぞれが時々刻々補正するしか有りま
> せん。それが前述のコンピュータによる自動補正です。大切なこと
> は、このコンピュータ補正でも決して「受信周波数固定」にはなら
> ないことです。衛星からのビーコン(一定周波数)がドプラーで変っ
> ていくことを思い浮べてください。従って、コンピュータ自動補正で
> は、アップリンクとダウンリンクの両方を時々刻々補正しています。
> これを手動で「完全に行なうことは不可能」と言えます。
> しかし、手動補正でQSOする際でも、2局の間に衛星が入り込ん
> でいる時間を避ければ、一旦ダウンリンクで同じ周波数に合せた
> 後。短時間ならば大きなズレにはなりません。できるだけこまめに
> 相手に返しながら、かつズレを補正する際に相手にそのことを言
> いながら合せるか、お互いに多少のズレを承知の上でRITなどで
> 追っかけてQSOを終わらせるのがコツです。
> もう一つ、SSB衛星の特徴を活かして、スタンバイせず(PTTオン
> のまま)ほぼ同じ通話の要領で相づちを打つなどして、相手周波数
> に自分の周波数が合っていることを「常時監視」する方法もありま
> すが、親しい相手でないと礼を失するかもしれませんので、注意し
> てください。
> また、私の経験では、相手が慌てて周波数を補正された時に信号
> を見失うことが多く、送信固定でドプラーによる変化を追いかける
> 方が、実際運用では遥か容易です。また一般的なこととして、
> FO-20/29では、AOS後とLOS前の2〜3分間は比較的ドプラーの
> 差が大きくない時期ですので、少し長くQSOしたい時には、そこを
> 使うと良いでしょう。
>
> ここ暫くFM衛星のQRVに慣れた後、SSB衛星に出られると、戸惑
> いを感じられている方もあると思いますので、この種の議論は有益
> と考えます。 他の方からの意見も参考にしてください。
>
> 73,
>
> JA6BX   江 崎  昌 男
> <ja6bx@jamsat.or.jp>
>
>
>
>
>
>