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[jamsat-bb:8253] ドレーク2880をERA-3で修理


JF6BCC 今石です。

  静電気で FET 破損 → FHX-14LG で修理するも感度悪い → MGA-86576 改造
するが利得不足、と悲しい歴史をたどった (^^;) うちのドレーク 2880 コン
バータ「ユニットB」ですが、この件について JAMSAT-bb 上で書いたところ、
とあるOMから ERA-3 での修理を薦められました。
  で、ERA-3 を通販で入手したいが、アテにしていた店では取り扱いが無いと
の返事で、さてどうやって入手しようか、とこれまた悩んで JAMSAT-bb に書
いたのですが、手持ちの ERA-3 があるからと、とあるOMから必要パーツ一
式を譲っていただけることになりました (^^) 大感謝!。さっそく昨夜 (5/2)、
修理に挑戦してみましたので報告します。

  まずは、改造後の RF 部分の回路図ですが、OMからの助言に従い、このよ
うなものとしました。

         GND(b)          +----+ +5V   
          |              R 39ohm      (a) 0.28mm銅線 30mm のシャント
          |        100pF |                線。静電気破壊防止用。
          |     GND---C--*            (b) 1.2mmφ極小ハトメ金具で基板
          |(a)           |                背面 GND へ。
          |      GND(b)  |            
          |        |     L 4.7nH      
          | 18pF   4     |            
  RF in >=*==C==1 ( ) 3 =*=========C====> IF BPF
            ERA-3  2               ↑ 
                   |        オリジナルのもの
                 GND(b)               

  改造箇所の写真はこれです。

http://plaza16.mbn.or.jp/~palau/images/2880-era3rep01.jpg

  まずは、MGA-86576 改造で取り付けた部品を全て撤去しました。また、度
重なる改造で疲弊し剥げかかっていたパターンも剥ぎ取り、RF 入力から RF
出力端子までの 50 オームラインを、銅箔テープで作り直しました。そして、
ERA-3 の接地端子を最短距離で GND に落とすべく、1.2mm ドリルで(既に
MGA-86576 用に明けていた穴よりも近い位置に)穴をあけ、極小のハトメ金
具(OMより)を取り付けました。
  次に基板背面の電源の配線を、MGA-86576 用に 10V 端子から持ってきて
いたものを、元の 5V からの配線に戻しました。これで基板の準備はOKで
す。

  部品は、100pF、4.7nH、39ohm、18pF の順で装着し、次に静電気破壊防止
のための 30mm シャント線 (2.4GHz で 1/4 ショートスタブとなる) を入力
端子〜アース用ハトメ金具の間に配線しました。シールドケース内に収める
ため少しコイル状に巻いてあります。最後に ERA-3 をハンダ付けして修理
は完了です。入出力 50 オームなので、マッチングコイル等は入っていませ
ん。
  ERA-3 を取り付ける段になって、2個のハトメ金具の間隔が ERA-3 のボ
ディよりわずかに狭くて (^^;)、ERA-3 がハトメ金具によってちょっと浮く
感じになってしまうのが判明しました。が、ここは「これで何とかなるだろ
う」と意を決して、ERA-3 の入出力端子を下方向に下げてパターンに接触
するようにして、無事ハンダ付けしました。このおかげで ERA-3 の底面が
基板面より 0.2mm 程度、わずかに浮いた形になっています (^^;)。

  誤配線が無いか確認した後、通電し、電源が 5V きていることを確認、ま
た 39ohm の抵抗の両端の電圧を測定しました。結果は 1.48V、つまり、ERA-3
の消費電流が 38mA と言うことになり、ERA-3 の定格である 30〜41mA に収
まっていることが確認できました。ERA-3 の周辺を RF プローブで触ってみ
ましたが、発振らしい出力は確認できませんでした。が、出力端子にプロー
ブを当てると、ほんのわずかながら RF プローブに接続したテスタの針が動
きます。ううむ…、これは発振しているのか?。
  実際に 10 エレ八木を接続し、IC-821 を親受信機にして、FT-817 + 簡易
SGで 2401.44MHz を出して確認したところ強力に受信しました。アンテナ
を外すとカスカスです。発振らしい信号強度の乱れなども感じません。うん、
これはうまく行ったようです。

  さて、今朝 (5/3) の午前3時頃に AO-40 のビーコンが ON になるチャン
スがあったので、実際に信号の受信に挑戦してみることにしました。この
ERA-3 修理のユニットBを 29 エレループに接続して IC-821 へ、また比較
用に標準改造のユニットCを 45cm Dish に接続して FT-817 へつなぎ、仮設
台にセットしてアンテナを衛星の方向に向けてみました。
  すると、信号が聞こえます!。親機が違うのでSメータでの比較はできま
せんが、聞こえてくる信号の「耳 S/N」は、2つともほぼ同等です。アンテ
ナの性能がほぼ同等だと言うことから、改造したユニットBは十分な感度を
持っていると言ってよさそうです。

  問題点ですが、しばらく受信を続けている最中、たまに、ピチャピチャと
言う音とともに、ユニットBをつないだ IC-821 のSメータがパッと触れる
ことがあります。ありゃ、これは発振か?、と思い、電源を入れなおしたと
ころ出なくなりました。静電気破壊の防止用に付加したワイヤーが ERA-3 に
接近しすぎているのかも、と思い、ワイヤーの位置をずらして組みなおし、
今朝から、29 エレループを接続して屋外で無信号状態で受信し続けてみるの
ですが、今のところ何ともありません。発振が確認できる機器を持っている
訳ではないので、とにかくしばらくはこれで様子をみようかと思います。
  もうひとつ、ユニットBを FT-817 に接続すると、無信号時にSメータが
7つも振れる様になりました。AMSAT-bb でも 2880 のノイズ?の話が出て
いましたが、IF のゲイン過多が理由なのかも知れませんね。JH0TOG 吉田さ
んが言われていた「IF抜き」改造をしたほうがいいのすも…。ユニットB
の受信能力が確認できたら、やってみようかな、と思います。

  ともあれ、何とか無事に 2880 を復活させることができたようです。他に
数台 2880 があれば、色々な改造を試してみたいところですが、手持ちは3
台しかありませんし、うち1台はSG兼送信機に転用する予定です。まあ、
EME をする訳でもないし、AO-40 の受信にはこれでも十分なようですので、
このへんで「我慢」しておこうかと… (^^;)。

 ご助言いただき、また貴重なパーツをお譲りいただきました皆様に感謝い
たします。

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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
JF6BCC, KH2GR (ex. T88J, T88IY, V63BP)
jf6bcc@jarl.com or jf6bcc@jamsat.or.jp
<http://plaza16.mbn.or.jp/~palau/> 
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