[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[jamsat-bb:7723] 斜め交差クロス八木のメリット@AMSAT-bb


JF6BCC 今石です。

  タイトルと内容がかけ離れていきがちな AMSAT-bb です (^^;) が、そ
の中で(最初のテーマが何だったか忘れてしまいました)、円偏波を発
生させるアンテナについての「GRRRRR..」と言うタイトルの一連のスレ
ッドで、W0FMS Fred が書いていた内容に興味を引かれました。

  「クロス八木を作る時、その2本のアンテナはそれぞれ 45 度に傾け
  た偏波面を持たせるといい。2本のアンテナに同相/逆相で同時給
  電すれば、水平・垂直偏波が切り換えられるし、90 度ズラせば円
    偏波になる。アンテナ側には切り換えスイッチ等は要らない」

  確かにそうです。同軸ケーブル1本で給電することに拘れば、偏波面
や円偏波での旋回方向の切り換えなどは、ケーブルのアンテナ側で行な
わなくてはなりません。温度や湿度など、条件の厳しい屋外での切り換
え回路(リレー等)の使用は、信頼性にも響きます。ここで、最初から
同じ長さのケーブル2本で、それぞれのアンテナに給電すると考えれば、
アンテナ側には一切の切り換え回路は要らなくなり、切り換えはシャッ
ク側で行なえば良いことになります。
  また、切り換え回路が屋内になれば、複雑な構成の位相遅延回路でも
問題無く使えることになります。例えば、こんな回路を作ったとすると、

             +-------[ 0, +0.25 切り換え ]----> ANT A
             |              SW-A
   RIG ======*2分配器
             |              SW-B
             +-------[ 0, +0.5  切り換え ]----> ANT B

    偏波                  SW-A    SW-B
    -----------------------------------
    水平 (同相  0°)       +0      +0
    垂直 (逆相180°)       +0     +0.5
    右旋 (+90°)           +0.25  +0.5
    左旋 (-90°)           +0.25   +0   単位:波長

  このように、2つの位相遅延回路の組み合わせだけで、4パターンが
実現できます。スイッチを高周波リレーと駆動用ロータリースイッチで
作れば、操作性も特性もバッチリでしょう。
  SW-A/B で切り換えに使う迂回線路は、それぞれ 0.25, 0.5 波長です
から、ショート/オープンスタブの理屈を利用して、切り換えスイッチ
の数も4個より少なくできるでしょう。

  無論それは、水平と垂直の八木2本の組み合わせでも可能ですが、そ
の場合は、垂直・水平偏波の時は2つの八木のうち1つだけの単独使用
となりますので、2分配器を通すか通さないかの切り換え回路が必要と
なります。その点、斜めに組みつけたクロス八木なら、位相差回路だけ
で4つの偏波が実現できる訳です。

  衛星通信、特に LEO の場合は、衛星からの偏波はさまざまな形態を取
る可能性があり、しかもそれを機敏に切り換える必要があります。そう
考えると、この方式は非常に衛星向きですね。

  暖かくなったら、一度実験してみようかと思います (^^)。

- -
Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
JF6BCC, KH2GR (ex. T88J, T88IY, V63BP)
jf6bcc@jarl.com or jf6bcc@jamsat.or.jp
<http://plaza16.mbn.or.jp/~palau/> 
- -
この電子メールは100%再生電子を使用しております。:-)