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[jamsat-bb:7083] Re: [jamsat-bb:7082] FM衛星用のアンテナ(Re:始めまして-JH6VHO)


●JA6DREです。

御説のとおり特に業務での円偏波と言う必要性とアマチュア無線衛星のAOS/LO
S前後も含む円偏波は大きく違ってきます。
業務ではAOSする近くでは当然品位は放棄すべきレベルの事と割り切っています
し、回転させているのは正対できる静止軌道に近い位置での話になりますからスパイ
衛星追尾くらいしかアマチュア無線と共通の条件はないようです。HiHi

●AOS/LOS近くのQSBの原因はおっしゃるように…かなり電離層を横切って
来ますのでEMEなどでも言われるジオメトリックローテーションではありませんが
基本的に偏波面がまともな分に対して電離層内で反射された位相成分(異種のエコー
ですよね)が加わった楕円偏波になるようです。
HF−DXではコンデションの開き始めと終わりに「水平偏波よりも垂直偏波アンテ
ナが有効」と言う傾向があるのですが、これを検証してみますと、この時刻には偏波
面が回転してかなりな楕円偏波で、かつ水平偏波よりも垂直偏波面に偏ります。
従ってー3dB以上の大きな損失が水平偏波エレメント側に生じて垂直偏波側が利得
が無いのに有利に働いたりします。打上角の問題ではなさそうです。
これらもファラデーシールド同軸と5エレメントブームをローターで高速に廻すこと
により判ってきました。
この時に、水平偏波に対して45度エレメント傾斜したときは位相損失はー3dBで
しかありませんが、ここから垂直偏波方向には数度で数dB落ちていきます。(対数
ですから)
これらは28MHzくらいでタワーアースラインから離して、さらに同軸路を2重
シールド層としたファラデーシールド同軸で初めて確認できました。

28MHzに限らずVUHFでも同様の傾向があるようです。
しかも、これは比較的に頻繁に位相が傾く(決して回転するのではなく)、それを追
尾するのは非常に困難なのです。

衛星の場合は空間に反射物は無いので90度毎にー45dB最大程度のQSBが生じ
ます。
ですから、回転偏波よりも2本のYAGI位置を異なる位置において並列とするス
ペースダイバシティを使うほうが便利かもしれません。(ハイブリッドでは位相を9
0度ずらして旋回させますが、そうではなく傾斜が違うエレメントを並列合成させま
す)2:1整合で処理して並列に…早い話がスタックアンテナを互いを90度単純に
傾斜させてしまうと言う乱暴な方法でもQSBは本来のダイバシティ選択機能を設け
なくても改善されるようです。

●正対した条件での旋回方向の逆転は、かなりな損失で物理的には「右ネジに左に廻
しても進まない」のですから、そうなります。電波暗室で簡易的に計るとー60dB
位になります。
実際のフィールドでは完全な旋回ではないのと必ず何処かでの反射が含まれますか
ら、そこまでは落ちませんがー30dB位にはなりましょう。
昔、VHFやUHF−DXがはやり始めた頃に盛んにクロスYAGIは販売されまし
たが、あのQSBはあまり関係なかったようです。あの20dBx2と言う表示は勘
違いした局が多く…「40dBあります」と威張っていたのがいましたよ?
違います。ご存知のように利得は20dBです。HiHi

それは、今回計画のデッシュなどで、AO−40は右旋回だからと…3ターンヘリカ
ルを右旋回で作ったりすると、パラボラ面で旋回は逆になるので、聞こえないと言う
事になります。(時々やってしまう勘違いです)
EMEも月面で反射しますと送信と受信は旋回方向が逆ですからシングル回転方向で
はだめなわけです。
しかし、同じ旋回でも緯度が高い局の水平偏波成分は反射して赤道近くでは垂直偏波
であり、それだけではなく、この時は仰角が低いので電離層の影響も加わるようで
す。

■ですから、片偏波で位置を変えたYAGIでSWで良いほうに瞬時に切り換えると
言うのが実はベストな運用方法ですよね、又はブームの後ろにアームをつけてベラン
ダのYAGIを傾斜させていた当社(昔の…)技師さんもいましたが、あれは冬場は
辛い…

●理論で言う「位相面の旋回」に対処する旋回方向(回転偏波)」とアマチュア無線
が言うQSB原因は少し違うと思うのです。
衛星が回転していて生じるレートは早いから円偏波にするのであって、その他の変化
するフェージングはエレメント回転によるものでは在りませんから、効果は無いはず
なんです。
御説の通りと私も思います。


■やっとWebを探しまくって…210cmφひまわり用のデッシュが手に入りそう
ですが45kgあります。
KTタワーの昇降許容限度ですね…
標準仕様は同軸管なので、背面に44mmφのパイプが50cm突き出していて、こ
れを避けると軸面がオフセットになり固定が困難です。
デッシュだけ倉庫に旧型があるとの事でうから背面の平板はドブメッキで作るかステ
ン板で加工して、直接CDの昇降仕様のオフセット仰角ロータ(ERC51)に固定
してマスト+0.3mh位置に設ければ何とか成りそうです。
どちらにしてもタワー幅以上に左右にロッドを突き出してバランスウエイトも必要で
すから…

輻射器は、ですから同軸管方式ではなく…ホーンタイプをアームを追加して焦点位置
820mmに固定するかたちとなりましょう。
でも、これですと…35dB/2.4G  から29dB/1.2Gもありますが、
EMEに使うわけでもなし、何すんだろうと今から考えております。
120cmなら…26dB/2.4Gですが、新品セットはあまり、今回の不良在庫
?と価格的に違わないのです。
ちなみに、郵政省への210cmの納入価格は本体だけでも25万円だそうで…えっ
?

ローカルいわく…35dBあるのならホーンに10dBアッテネータを入れたら? 
(バカヤロ〜)










----- Original Message -----
From: "Yoshihiro Imaishi" <imaishi@aa.mbn.or.jp>
To: <jamsat-bb@jamsat.or.jp>
Sent: Thursday, January 11, 2001 1:35 PM
Subject: FM衛星用のアンテナ(Re: 始めまして-JH6VHO)


> JF6BCC 今石です。
>
> At 2001/01/11 02:20:51 JA6DRE wrote:
> > 完全な円偏波なら良いのですが、そうではなく位相の乱れの場合は回転
> > 方向がクロスYAGIの廻している方向に対して逆になると、それこそ
> > 感度が逆方向ではゼロに近くなってしまいますからファラデーローテー
> > ションでは直線偏波を傾けるのが都合いい場合が多いのです。
>
>   以前、145MHz の6エレクロス八木を試作して UO-14 へアクセスする
> ために移動運用を行なったのですが、そこで地上波で JA6BX 局とつな
> がった際に、円偏頗の右旋回と左旋回の切り換えを試してみました。こ
> ちらの試作アンテナは、ラジエタの方向を入れかえることで左右が切り
> 換えられるようにしてあり、JA6BX 江崎さんは右旋回偏波でした。
>   円偏波アンテナを使うのは初めてだったのですが、右旋回同士で 59
> で届いていた信号が、こちらを左にした途端 53 にまで下がり、円偏波
> での旋回方向の重要性を思い知った次第です。散乱や反射等のある地上
> 波でなければ、全く聞こえないレベルにまで陥ったかも知れません。
>
>   ただし、この辺について神経質になるべきなのは、衛星が円偏波アン
> テナを搭載していて、しかも地上局とま正面で対向しているようなケー
> スでしょう。アンテナが正対していないと楕円偏頗になりますし、FO-20
> /29 は円偏波&スピン制御の衛星ですので話は複雑になります。
>  が、UO-14/AO-27/SO-35 などの FM 衛星に話を限るなら、皆マイクロ
> サット型の衛星で、搭載アンテナは基本的に単一偏波ですし、姿勢制御
> も重力懸垂ブーム…でしたっけ、スピン安定方式ではないので、アンテ
> ナは回転していません。
>   ですから、FM 衛星の信号は、頻繁に方向の変化する直線(楕円に近い
> ?)偏波として降ってくる、と考えるとよろしいかと思います。
>
>   このような状態で降りてくる偏波の信号に対して、ループ系のビーム
> アンテナがどれほど有効なのかは、私は経験がないのでわかりませんが、
> ラジエタが基本的に単一偏波用である限り、単一偏波の八木より多少良
> い程度にしかならないのではないか、と思っています。無論、偏波が直
> 交する位置関係で、八木なら数十 dB は落ちこむところがループなら十
> 数 dB、と言うことになれば、FM 衛星のダウンリンクは結構強いですか
> ら、充分な効果かも知れませんね。
>
>   もちろん、クロス八木などの円偏波アンテナで受信するのも方法です。
> が、6エレ八木2本の試作アンテナで実験した限りでは、直線偏波の信
> 号と円偏波アンテナによる最大 -3dB の利得低下が、元々低利得なため
> 結構厳しいんですね。結局、受信はそこそこ安定するのだが、図体の割
> に利得が無くて、弱いとうまく受信できない、あまりありがたくないア
> ンテナになってしまいました。
>   加えて、AOS/LOS 前後には、単一偏波アンテナで試した時には観測で
> きなかった、数 Hz〜十数 Hz の QSB が発生し、受信能力が著しく阻害
> されました。AOS/LOS 前後の仰角が低い場合には、地表近くを電波が通
> 過することから、色々と特殊な状況が発生するのだろうと思いますが、
> なぜ QSB が起きるのかはまだ解析できていません。
>   私は自宅では仰角固定の八木アンテナですので、ビームの半値角があ
> まり狭い高利得のアンテナは使えません。JAMSAT の Web ページに紹介
> されているデータで自作した6エレでは、利得は 10dBi というところ
> だと思いますが、これで -3dB で、更に低仰角時の受信状態が悪くなる
> となると、あまり意味がないと考え、自宅に円偏波アンテナを設置する
> ことは、とりあえず断念しました。
>
>  結局、私が取ったのは、ここの JAMSAT-bb の先輩諸氏がすでに行なっ
> ていた、水平と垂直の2本の八木を使って、切り換えると言う方法です。
>  単一偏波アンテナで QSB が落ちこむのは、偏波が直交する時が最大で
> すが、偏波の違いが 30 度や 45 度程度であれば、まだそれなりの強度
> で受信可能です。90 度以上は考える必要がありませんので、最悪となる
> 直交時の受信をカバーするアンテナが別に用意してあれば、信号強度に
> 合わせてアンテナを切り換えることで、殆ど QSB の谷間に陥ることを防
> げるようになります。また、それぞれのアンテナが動作している時は基
> 本的に単一偏波ですから、その利得もフルに利用できます。
>  JA6DRE さんがHFの八木で試されたように (^^;)、モーターで八木の
> ブームを軸にアンテナを回転させる、と言うのが究極の手段だとは思い
> ますが、FM 衛星の経験上では、偏波の方向が変化するスピードが結構速
> いので、リモートコントロールが追いつかないかも知れません。それに
> 第一、大掛かりな設備になってしまいますから、それなら最初から仰角
> ローテータを用意し、-3dB の利得低下をカバーするだけの高利得の円偏
> 波アンテナを使った方が楽ですからね。その点、切り換え式なら切り換
> えは瞬時です。
>   切り換え方式については、当初はアンテナマストにリレーボックスを
> 置いて、リモートで切り換えることを(ついでに、円偏波への切り換え
> 回路も一緒に)考えたのですが、うちの場合はシャックから給電点まで
> 同軸が7mで届くと言う恵まれた(厳しい?)状況なので、同軸を2本
> 引いてしまい、シャック内で市販の手動の同軸切り換えスイッチを使っ
> て、手でパチパチ切り換えながら受信する、と言う、一番安易な手段で
> 落ちつきました Hi。
>
>  切り換え式ですから、円偏波への改良を考慮しなければ、2本のアン
> テナが同一タイプである必要はありません。垂直と水平の2本ですから、
> 近接して設置(場合によっては同じブームに設置)しても、互いの特性
> にはあまり影響が出ません。
>  ですから、現在使用している単一偏波のアンテナを、そのままローテ
> ータで回るマストに残した上で、4〜8エレ程度の小さな「補助アンテ
> ナ」を作り、マストに追加して、別の同軸ケーブルでシャックまで引い
> てくる、と言うのが、一番手軽だと思います。
>
>  これが、私が偏波の切り換え式に落ちついた理由です。
>
>   欲を言えば、送信アンテナにも同じことをしたかったのですが、設置
> 場所の都合で 145MHz の垂直・水平アンテナを2本展開することができず、
> 145MHz 側は水平偏波のみとなっています。
>  UO-14/AO-27 は Mode-J ですから、これは「アップリンクが時々通ら
> ない」ことで済み、他人にあまり迷惑はかかりません。が、SO-35 は
> Mode-B なので、時々受信ができないことになってしまいます。幸いに
> して SO-35 の 2m のダウンリンクは強いので、ホイップアンテナや適
> 当な垂直系のGPなどを併用することでごまかしてますが… Hi。
>
>  無論、これは FM 衛星相手に限った話です。FO-20/29 や AO-40 は円
> 偏波アンテナの衛星ですので、やはり、単一偏頗であることがデメリッ
> トになるケースがあります。まあ、デメリットを帳消しにできるくらい
> に利得の高いアンテナが使えるなら話は早いのですが、限られた設備で
> やろうというのですから、あれもこれもは無理ですよね。
>   現在使用しているアンテナは FM 衛星用として作ったものですが、そ
> れでも FO-29 や AO-10 相手にそこそこ使うことができています。これ
> よりいいアンテナは、ルーフタワーと仰角ローテータが買えるくらいに、
> フトコロが豊かになってから考えたいと思います Hi。
>
>  なお、移動運用では、アンテナを手で容易に操作できますから、発想
> を変えて、アンテナの偏波面を自由に変えられる八木を使うことにしま
> した。詳細は私の Web サイトに書いてありますのでご参照下さい。
>
> では。
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