[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[jamsat-bb:6633] ARISS meeting #4 @ NASA/GSFC


皆さん、こんにちは。
一昨日、JAMSAT News letterに以下の原稿を送ったのですが、
よく考えてみると、今回の号はPhase-3D特集なんですね。
JAMSAT-BBで皆さんに早く知ってもらいたく、ここに投稿します。

============================================================
      第4回ARISS ミーティング 報告
                     JH2PRZ/1 辻
2000年12月1日〜3日にNASA/GSFC(ゴダード宇宙飛行センター、
米国ワシントンDC)で開催されたARISS ミーティングに出席し
ましたので、その概要を報告します。今回のARISS ミーティ
ングは、第1回NASA/JSC(ジョンソン宇宙センター、米国ヒュ
ーストン)、第2回サレー大学(英国)、第3回ESA/ESTEC
(欧州宇宙技術センター、オランダ)に続いて、4回目です。
Meetingには、米国、カナダ、ロシア、ベルギー、イタリア、
日本の各国代表とオブザーバを合わせて30人が出席しました。
日本からは、JARLからJA1KAB小室さん、JAMSATから私(JH2PRZ)
が出席しました。

今回のミーティングでは、ARISS-Board(理事会)の議決方法
及び理事会の下に6つの委員会を設けることが、決定しました。
ARISS-Board(理事会)では、欧州代表に4票、米国2票、カ
ナダ2票、ロシア2票、日本2票の計12票の議決権が与えら
れました。このうち、欧州以外の各2票は、各国のアマチュア
無線連盟とAMSAT支部に1票ずつです。欧州では、ARISS-Europe
が組織され、AMSAT-Belgium、AMSAT-France、AMSAT-Italy、ARI、
DARC(ドイツ)、REF-Union(スペイン)、REP(ポルトガル)、
REP-AMSAT、RSGB、UBAが加盟しています。ARISS-Europeに
AMSAT-DLが入っていないが、何故かと質問したところ、AMSAT-DL
はPhase-3D(AO-40)で忙しくて、参加しないとのことでした。(?)
ミーティングの最後に、これから2年間のARISS-Board(理事会)
の議長、副議長の選挙があり、議長にAMSAT-NAのKA3HDO Frank 
Bauer氏、副議長にARISS-EuropeのON4WF Gaston Bertels氏、
財務担当にARRLのW1STO Rosalie White女史が選出されました。

ARISS-Board(理事会)の下に設けられた委員会は、次の6つです。
  - 運営管理
  - ハードウェア
  - 提案選定(提案要請と提案評価)
  - オペレーション(学校との交信、一般QSO、
                    宇宙ステーションの乗員と家族の交信)
  - 教育と普及啓蒙/学校の選定
  - 広報(プレスリリース、ステータスレポート、ウェブページ)
これら6つの委員会に、理事会の議決権をもつ5つの地域から
各1人の委員を出すことになりました。日本について考えてみますと、
運営管理はARISSミーティングの規則や細則を決めるところですので
JARL向き、ハードウェア、提案選定とオペレーションはJAMSAT向き
だと思います。また、教育と普及啓蒙は、学校の選定を含んでおり、
日本国内の宇宙ステーションプログラムの実施機関である文部科学省
やNASDAと交渉する必要があり、JARL向きだと思います。広報は
JAMSATとJARLの両方でやるといったところでしょうか。委員会の
会合は、主に電子メールを使って行う予定です。委員をやりたい方
がいらっしゃいましたら、私宛に連絡下さい。

ハードウェアに関しては、今回、次のような提案がありました。 
AMSAT-RussiaのRV3DR Sergej Samburov氏からは、KenwoodのTM-D700
とTNC KPC-9612を用いた音声/パケット通信システムの提案がありま
した。このシステムは、来年5月のエネルギアロケットによる物資
運搬の時に、ISSに運び込みたいとのこと。ロシアのサービスモジュ
ール(SM)に4本のホイップアンテナを取り付ける予定だそうです。
NF1F Miles Mann氏からは、無重力下ではマウスが使えないので、
キーボード操作だけで使えるSSTVソフトウェアの提案がありました。
また、イタリアのFabrizio Bernardini氏(コールサイン申請中)
から、Sバンドビーコンの提案がありました。テレコンでドイツ
から参加したDL2MDE Thomas Kieselbuch氏は、デジトーカのプロ
トタイプを開発したとのことです。

ミーティングの期間中には、こんなこともありました。
既にスペースシャトルSTS-106により、最初のアマチュア無線局の
機器が国際宇宙ステーションに運び込まれています。ミーティング
2日目の12月2日午前4:18のパスとその次のパスの計2回、ゴダード
宇宙センター内に設置されている国際宇宙ステーションハムクラブ
(NN1SS)から、飛行中の国際宇宙ステーションのアマチュア無線局
(NA1SS)を145MHz帯で呼び出そうとしたのですが、応答はありません
でした。各国と米国の間の相互運用協定を使って、皆で一言ずつ、
国際宇宙ステーション乗員に挨拶する予定でしたが、うまくいきま
せんでした。(KA3HDO Frank BauerがNN1SSを運用している写真を
見てください。)143MHz帯の乗員連絡用チャンネルでロシア語の
会話は聞こえたのですが….

午前4時のパスが空振りでしたので、そのまま朝食を取りながら、
前日の会議を続きをしました。

ミーティングの合間には、スミソニアンの航空宇宙博物館の特別
ツアーやNASA/GSFCの施設見学も組み込まれており、盛りだくさん
のスケジュールでした。ミーティング資料を近日中に、JAMSAT 
Webページに掲載したいと思いますので、会議の詳細につきましては、
そちらをご参照下さい。
                           以上

写真の説明
JPEGファイル名ARISS_Frank:
     NN1SSを運用するKA3HDO Frank
JPEGファイル名ARISS_Ron:
     真中がスペースシャトルSTS-35、STS-61でSAREXを
     運用したWA4SIR Ron
JPEGファイル名ARISS_Sergej:
     左から、RV3DR Sergej、UA6HZ/WJ1R Larry、JH2PRZ 辻
(写真はJAMSAT News letterで、御覧下さい。)

===========================================================

News letterの原稿には書かなかったのですが....

[重要]
それから、今回のARISS ミーティングで、
144.49MHzプラスマイナス8kHzを国際宇宙ステーション搭載の
SAREX/ARISSへのFMアップリンクに使用できるように郵政省令
で定められているバンドプランの脚注に書き加えることを
郵政省に要望している旨、JARLから報告されました。

皆さんがJARLに送られたe-mailは、きちんとファイルされて
いました。

-----------------------------------------
  辻 政信 (Tsuji.Masanobu)
  e-mail  : jh2prz@m17.alpha-net.ne.jp
  TEL&FAX : 047-361-0232  / JH2PRZ
  郵便宛先: 〒270-2242
            松戸市仲井町2-34-1-101  
-----------------------------------------