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[jamsat-bb:6366] Re: TH-D7 (Re: P3D)


JF6BCC 今石です。

At 2000/11/16 23:03:13 ji1izr/眞田正弘 wrote:
> TH-D7は確かFT-817よりは安いと思いましたが。
> どこまで使いこなせるかわかりませんが、
> せっかく買ったからには、初期の目的は達成
> しなければいけませんね。

  D7 について AMSAT-bb に面白い話が出てました。

- - - - -
> From:    Pedro P?rez
> Subject: RE: [amsat-bb] Need some Elmering
> Date:    2000/11/21 04:06:52
 中略
> With your D7 you can:
> 1.Work the FM analog satellites (AO-27, UO-14, SO-35 and, in the near
> future, the ISS).
> 2.Work APRS via satellite (via SO-35 and UO-22) using the D7G alone.
> 3.Receive the PACSATS (KO-25, UO-22, TO-31, UO-36) using with the laptop and
> PACSAT software like Wisp.
> Enjoy!
> Best 73 from Spain.
> Pedro, EB4DKA
D7 を使うと、こんなことができます。
1. AO-27, UO-14, SO-35 等の FM アナログ衛星や、近い将来の ISS との
   交信ができる
2. D7 だけで、SO-35 や UO-22 衛星経由で APRS (多分 Amateur Packet
   Radio Service?、いやトラナビのことか?) ができる。
3. ラップトップパソコンと Wisp のような PACSAT ソフトを使えば、KO-25,
   UO-22, TO-31, UO-36 のような PACSAT 衛星を受信できる。
- - - - -

  私が「ん?」と思ったのは 2. です。'using the D7G alone' という言
葉は、D7G に一切の付属品をつけずに、内蔵 TNC を使った通信ができる
と言う意味ですよね。でも、例示されている SO-35 のディジピート機能
は、uplink は 1200bps/9600bps 両対応でも、ダウンリンクは 9600bps
だけです。ってことは、D7 搭載の TNC って 9600bps 対応なんでしょう
ね。APRS ってのはいわゆる「トラナビ」ですよね。
  日本や東南アジアの場合、SO-35 のアップリンクに使われる 145.825MHz
あたりは(違法)業務運用の巣窟でしょうから、D7 とホイップ程度のア
ップリンクが衛星側できちんとデコードされる可能性は低いでしょうが、
そういう心配の少ないアメリカなら、D7 を持ち歩くことで、砂漠の中に
居ても位置を知らせることができるようになりますね。なるほど、これは
面白いかも。

 …ん?、ってことは日本でも、混信の少ない周波数をアップリンク帯に
選べば、トラナビによる衛星経由の位置通報システムが使いものになる可
能性があるってことですよね。ってことは、例えば登山者が遭難した場合
の緊急通報システムに応用できますね。
 例えば、登山者が遭難した際、意識があるなら通報装置のスイッチを入
れる(意識不明の場合でも自動的にスイッチが入る仕組みがあるといいか
も)、緊急通報装置は衛星からの問い合わせ信号を受信したら、ID と、GPS
で得た自分の位置情報を送信し、衛星はそれをディジピートなり蓄積集計
するなりして、ビーコンに乗せて返すと…。それ専用の衛星を上げるとな
ると金がかかりすぎるなら、何らかの方法で遭難が発生したことを検知し
た上で、中継機を航空機に搭載して現場上空を飛ぶだけでも、目的は果た
せますね。

  山登りにアマ無線機を「緊急用に」抱えていく人を正当化したくはあり
ませんが、資格だの目的だのは別にして、普段から交信をしていない人に、
いざと言う時にまともに FM 音声通信ができるとは思えないんですよね。
例えば谷底で遭難した時、電波はまっすぐにしか飛ばない(見えない位置
にある山小屋や麓には届かない)ことを知らず、あるいは誰も聞いていな
い周波数で「助けてくれ〜」と無駄な送信をして、命綱の電池を使いきっ
てしまうのがオチでしょう。
  無線に詳しい人でも、電池の消耗の激しい FM 音声での交信は不利です。
少なくとも、現在のアマ無線機は、山岳事故の際の「命綱」としては「細
すぎる」んですよね。
  その点、パケット通信方式なら、必要最小限の時間しか送信をせずに済
みますし、遭難位置から衛星や航空機が見える確率も高く、無線機の操作
方法を知らない人でも扱えます。また、例えば、衛星や航空機が位置を確
認したことを緊急通報装置に返した後は、緊急通報装置は非常用周波数の
FM 音声の受信に自動的に切り替わるようにする手もありますね。こうし
ておけば、救助隊が近づいて呼びかけてくるのが聞こえた時点から、通常
の FM 音声通信で、状況を詳細に伝えられるようになります。

  うむ、これなら実際の役に立ちそうですし、登山者が持つ機器の仕様も
そんなに特殊なものなはならずに済むでしょう。デュプレックスである必
要もないですし、内蔵のマイコンでもサポートできそうなレベルです。

 でもなあ…。登山者が普段使っている携帯電話用の中継機を改造して航
空機に乗せて飛ばし、登山者の電話機からの応答信号を拾う、ってのが、
もっと簡単で確実な方法ですよね。専用の装置を用意しなくてもいいし、
携帯電話を使えない人もそう居ないだろうし…。

 やはり、あまりいい案ではないみたいですね (^^;)。

では。
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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
JF6BCC, KH2GR (ex. T88J, T88IY, V63BP)
  imaishi@aa.mbn.or.jp
  http://plaza16.mbn.or.jp/~palau/
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