アマチュア衛星用語小事典
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AOSAcuisition of Signal : 衛星が観測者の可視範囲に入ること。この時から衛星からの信号が聞こえ始める。⇔LOS
AZ/ELAzimuth/Elevation : 観測者から見た衛星の位置の表現方法の一つ。アジマスは衛星の方位角、エレベーションは仰角。最近はElevationの代わりにAltitude(高度)を使う事が多い。その場合Elevationは観測者の標高の意味に使う。
Azimuth/Elevation : 衛星を追尾できるアンテナのマウントの方式。方位と仰角の2つのローターを使う。
EIRP実効輻射電力
LEOLow Earth Orbit : 低高度地球軌道を飛ぶ衛星。 3000km以下の高度を飛ぶ衛星。フットプリントは小さく、パスは短い
LOSLoss of Signal : 衛星が観測者の可視範囲から出ること。この時に衛星からの信号は聞こえなくなる。⇔AOS
OSCAROrbiting Satellite Carrying Amateur Radio : オスカー : アマチュア無線を搭載した衛星
TCATime of Closest Access : 衛星と観測者がもっとも接近する時刻。LEOの場合この時、ドップラーシフトは0になるが、周波数の変化率は最大になる。

アップリンク地上局から衛星への送信(上り回線)。
アナログ音声、電信、SSTV、RTTYなど衛星のリニアトランスポンダにより中継される通信の方式。⇔デジタル
アポジー遠地点、衛星が地球から最も離れた点
オスカーOSCAR アマチュア無線を搭載した衛星
オスカー番号打ち上げ成功後、製作者が希望した場合、オスカー番号が付与される。所属団体名ないし打ち上げ前の衛星の頭文字+OSCAR−番号の書式となる。ふじ3号は29番目のOSCARであるから、Fuji-OSCAR-29となる。略称 FO-29。
軌道傾斜角赤道面と衛星の軌道面とのなす角。軌道傾斜角が小さい軌道を赤道軌道とよび、軌道傾斜角が90度前後のとき極軌道という。
軌道要素軌道要素チュートリアル/N6NKFの解説を参照
コマンド局衛星の管制を行う地上局。 衛星の運用状態の監視の結果や利用計画にもとづき衛星の姿勢の変更やトランスポンダの運用の切り替えなどを行う。
実効輻射電力送信機出力 - 伝送路損失 + 空中線利得 = 実効輻射電力
シンチレーションスプレッドF層(Fs)による強いフェーディング。短い周期で信号強度が変化する。Fsは高緯度地域と夜間の赤道地域で発生する。地方時21時頃に発生確率最大。
シンプレクス一組の周波数を使うが、いずれかの局が送信している間は対向局は送信できない。地上の1つの周波数を使ったシンプレクス通信と同様な運用形式。
ストアーアンドフォワードデジタル通信衛星の方式の一つ。衛星が受信したメッセージは一旦衛星のメモリに保存され、要求があったときに送信される。フットプリントの小さいLEOであっても、全地球的な情報交換が可能になる.
太陽同期軌道低高度極軌道の一種。衛星の軌道面が季節の変化に合わせて太陽との角度を同じに保つように変化するため、一年を通して衛星が通過する時刻帯が一定となる。
ダウンリンク衛星から地上局への送信(下り回線)。
地上局衛星と通信する機能を備えた地球側の無線局。 通信業務を行う衛星通信地上局と衛星の管制を行う管制局(コマンド局)がある。
デジタルデジタル化された情報を地上局のモデムと衛星のモデムを経由して中継する通信の方式。⇔アナログ
ドップラーシフト観測者と衛星との相対的な速度により生ずる、送信周波数と受信周波数のずれ。
トラッキング追跡。アンテナを動いていく衛星に向け続けること。そのためには衛星の位置を計算すること。
トランスポンダリニアトランスポンダ。 入力パスバンドに入った信号を出力パスバンドに周波数変換する。 ノンインバーティング型では入力パスバンドの周波数の高い側に入った信号は出力パスバンドの周波数の高い側に変換される。インバーティング型では入力パスバンドの周波数の高い側に入った信号が出力パスバンドの低い側に変換され、SSBのサイドバンドもUSBはLSBに、LSBはUSBに反転する。インバーティング型はドップラーシフトを見かけ上軽減する効果がある。
バード鳥。人工衛星の別称。
ハーフデュプレクス二組の周波数を使い同時に送受信を行う。しかし、地上局の制約で自分の送信した信号が衛星で中継されて戻ってきた信号を聞く事ができない。シンプレクスではない。
パス衛星の通過。
パスバンドリニアトランスポンダの用語。 トランスポンダの入力(受信)帯域(アップリンクパスバンド)と出力(送信)帯域(ダウンリンクパスバンド)。
パロットオウム返しトランスポンダ。アップリンクで送られた音声メッセージを一旦蓄積して、一定時間後にアップリンクと同じ周波数のダンリンクで送り返す運用形式。SO-35に搭載。
ビーコン衛星から送信される標識信号。標識として衛星のコールサインを含むのほか、温度や電圧などの情報を含む事もある。アマチュア衛星では電信が使われることが多い。
ファラデー
ローテーション
電波が電離層を通過するときに偏波面が回転する効果で、電波の周波数の二乗に逆比例して減少する。電離層と地磁気により起こる。
フットプリント衛星から見渡す事ができる地球の表面。高度の低い衛星のフットプリントは小さく、高い衛星は広い。
フルデュプレクス二組の周波数を使い同時に送受信を行う。自分の送信した信号が衛星で中継されて戻ってくるのを聞く事ができる。
ペリジー近地点、衛星が地球に最も近づく点。
モード衛星の運用方式。周波数と方式により分類する。
モルニア長楕円軌道の一種。観測者から見ると衛星が周期的に決まった場所に長く滞在するように見える。
リピータ一つの周波数で受信した信号を、別の一つの周波数で再送信する装置。トランスポンダとは異なる。


初版 2000/07/30
随時改定

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