関西ハムフェスティバル結果紹介

関西ハムフェスティバル出展とEME運用

当初、今年の関ハムでのJAMSATの出し物として何をするか悩んでいました。
P−3Eの打ち上げが遅れており、使えるのは低軌道衛星だけ、と言う状態がここ
何年か続いており、関西のイベントでは最近、衛星通信入門講座ばかりをやって来
ていましたので、何か目新しいことが出来ないかと思っていました。これから衛星
通信も、火星を目指すP−5A、金星を目指す
UNITEC-1、と地球軌道を飛び出して
行く衛星を追いかけることとなりますが、遠距離通信と言うことでまず頭に浮かぶ
のは、オスカー0(ゼロ)である月です。そこで地球軌道を飛び出す衛星を追いか
ける前のステップとして月面反射通信
(Earth Moon Earth)を今年のJAMSATの出し物
としました。

以前JAMSATシンポジウムで8N1EMEの講演を頂いたJH1KRC渡辺さんにプロジ
ェクト
KDES紹介を打診したところ、早速、事務局に連絡していただき、JE1BNZ宮本
さんが快く講演を引き受けて頂きました。そこで、せっかく
EMEの講演をしてもらう
のですから、これに合わせて何かイベントが出来ないかと検討し、関ハム記念局
8N3KHで
EMEの免許を取得して8J1AXAと交信することを発案しました。

今年の関ハムのテーマは、「つながる・広がる電波の世界」ですので趣旨にも合って
います。

事前準備

まずやることは144,430,1200MHzでのハイパワー免許の取得です、144MHz430MHz
は東京ハイパワーの半導体アンプ、1200MHzJF3HUC高橋さん作の300W半導体アン
プを借りることが出来、早速申請書を作成、
5月連休前にJARL本部へ申請書を送りま
した。次はアンテナです、アナログでやるのかデジタルでやるのか、をまず決めなけ
ればなりません。
144,430,1200MHzの各バンドにアクティブな方を紹介頂き相談に乗っ
て頂きました。関ハム会場に上げられるアンテナのサイズにも制限が有りますので、
144 MHz2八木でデジタルモード、1200 MHz3mDISHでアナログモードとしました。

変更検査は625日に実施されましたが、事前に詳細なスプリアス測定データーを
提出しておいた為、検査当日は実際の出力の確認とハンディタイプの電界強度計での
電界強度の測定だけで、問題なく検査に合格し
8N3KH144MHz 300W,430MHz230W,
1200MHz 300W
の免許を取得しました。

検査の様子、左から1200MHz300Wアンプと電源(JF3HUC作) IC910D BPF 144/430東京ハイパワー製アンプ

関ハム前日

関ハム前日の金曜日、13時会場到着、早速、会館南側のフリーマーケットの会場
となるグランドにセブロン電子さんから借用した1.2
GHz用のDISHを組み立て開始、
平行して屋上で
2m17エレF9FTスタック、43032エレスタックのアンテナ設置作業
を開始(
430も免許が有るので何とか電波を出したいと急遽設置しました。)あいにく
天気が悪く、悪天候で作業が進まず、
20時近くまで作業していましたが設置完了する前
に会館の閉め切り時間でタイムアップとなり、屋上のアンテナは最終目標の高さまで上
げられませんでしたが、何とか電波が出せる状態にはなっていましたので、このまま深
夜の運用に突入。リニアアンプも屋上設置の予定でしたが、これも間に合わずリグ直後
に設置、
2mのデジタルモードで25時過ぎの深夜月出から運用開始。予想外に8J1AXA
含む
JA5局、USA 2局とQSO、当初の目的であった8J1AXAと交信出来て一安心しま
した。

144MHz 17ELE F9FTスタック,
70cm 32ELE YAGIスタック
ブルーシートの下にリニアアンプを設置


JH5FOQ,JJ3JHP お手伝いありがとう御座いました。


ブームに付いているローテーターは偏波切り替え用

関ハム1日目

土曜日の朝、すぐにリニアアンプを設置しに屋上へ、アンテナももう少し高さを
上げようとしましたが重くて持ち上げられず断念、月の最大仰角までアンテナ仰角
を上げられず、また、ステーが邪魔をするためアンテナを回すときは一旦アンテナ
を水平に戻さなければならない、、など不便を強いられました。

屋上作業を完了し9:30JSTから再度2mのデジタルモードでヨーロッパウインドウに
QRV14JST過ぎの月没までに14QSO,(JA 2QSO EU 12QSO)出来ました。

土曜日13時からはJAMSATフォーラムで、小ホールにてEME講演会を開催、講師に
はプロジェクトKDES 
http://www.8j1axa.jp/index.html

JE1BNZ宮本さんにお願いし、月面反射通信(EME)8J1AXAの紹介をしていただき
ました。こちらも盛況でした。
8N3KHの衛星へのQRVはローテーターケーブルの不具
合で土曜日は断念。

JA7JZS,JA3CZL,JH4DHX,JN4VAX,JH3BUM,JR3REX


関ハム会場、ジャンク市、EMEのアンテナは右端の屋上に設置、2本のタワーのアンテナはHF用

リグセットアップ、右端のPCの下はJR3REX坪井さん作のGPSアダプター

EME運用中 JH5FOQ,JR3REX


EME講演会  講演 JE1BNZ 宮本さん 画像がこれしか無くてすいません。

関ハム2日目

19日の日曜日は深夜2時頃から月出、3時ころから2m,70cmデジタルモードでCQ
出しましたが
QSOには至らず、朝の6時頃にアンテナがステーに引っかかって回らな
くなったため運用を断念。会館が開くとすぐに屋上へ上がりアンテナを補修、この時
衛星用のアンテナのローテーターケーブルも修理して回るようにしました。しかし、
隣のブースで運用している記念局のかぶりがひどくて
FO-29,VO-52ともNo QSO、、
かろうじて
FM衛星のSO-5010 QSO出来ました。この日のEME10時頃から月没ま
で運用、
EU 4QSO JA ,RA9 1 QSOづつの6 QSOでした。

ここまで70cmではNO QSOでしたので何とか1局でもQSOしたいと思い、昼の12
過ぎから
8J1AXAとスケジュールを組みました。こちらの信号はすぐにAXA側でコピ
ー出来たようですがこちら側で
8J1AXAが全くコピー出来ません、30分ほどトライし
ましたが
QSOには至りませんでした。

1.2GHz(23cm)は衛星TV受信用の2.6mのメッシュのDISHをセブロン電子さんから借
り、、準備は出来ましたが組み立てと動作チェックは関ハム当日のぶっつけ本番で
した。土曜日午後には組み立てを完了しましたがサンノイズのチェックまでは出来
ませんでした。日曜日の早朝からサンノイズのチェックをしましたが、
DISHのマウ
ント金具が衛星
TV用であったため細かな方向あわせが出来ず、曇り空の為目視での
方向あわせも難しく、予想される方向に
DISHを向け何度か月に向け電波を出してみ
ましたが自分のエコーを確認できず、運用を断念しました。


JA7JZS,JA3CZL,JF3HUC,JH4DHX,JH3BUM,JH3TXF
グランドに1200MHZ用のDISHを設置したが、QSOには至らなかった。

1200MHz運用の準備中 JF3HUC高橋さん

2.6m DISH 回りをかさ上げして3mにする予定でしたが間に合いませんでした。
フィードはJF3HUC高橋さん作のIMUホーン


今回の運用結果は  衛星で10 QSO,EMEでは144MHzのデジタルモードのみで25
QSO 10
エンティティでした。

通常展示も例年通り

 JAMSATフォーラム以外にも通常展示をやり多くのかたに訪問いただきました。

屋内JAMSATブース JH4DHX/5大谷さん


また、関ハム事務局よりJARLにお願いし、JAS-1の模型が関西で初めて展示され
人集りが出来ていま
した。

お手伝い頂いた方 順不同、

JA3CZL,JH3TXF, JF3HUC ,JH3BJN,JH4DHX/5,

JA7JZS,JA1JGR,JR3REX,JH5FOQ,JS3CTQ,

JN4VAX,JH5JKH,JE2JCV,JA3GEP,JH3BUM

と関ハム実行委員の皆さん

助言を頂いた方、順不同

JA4BLC,JH1KRC,JE1OYE, JM1GSH, JA1DYB

JA0GPT, JE1BNZ, JO1LDY

皆さん有り難うございました。
de JH3BUM