先日開催されたARISSスクールコンタクトについて紹介させて頂きます



8月26日夜、和歌山大学のキャンパスで、宇宙教育研究所(Institute for Education on Space)が、
http://www.wakayama-u.ac.jp/ifes/

ARISSスクールコンタクトを県下で初めて実施し、ISSに滞在中の星出彰彦宇宙飛行士と
和歌山市内の小学生たちが交信しました。


コントロールオペレーターは、JO3TEN 佐藤奈穂子特任助教


今回の開催は、6月の河内長野でのアンテナ撤収時に「次回は和歌山で」とタワー等を和歌山大学
に持ち込み、秋から年度内の開催を目標に準備していたのですが、8月に入ってから「今月の20日
の週に実施できないか」との打診があり、急な開催となりました。IfESでは直前に全国規模のイベン
ト2件を続けて開催し、お盆休みも返上しての準備となりましたが、本来の子どもたちへの科学教育
は不十分ながらも、NASAや総通への申請を何とか間に合わせました。

お盆明けには校舎の屋上にタワーとアンテナを準備していましたが、前々日に念願の12m DISH
(学内設置では国内最大)横の野外開催が許可されました。前日に急遽タワーを移動して、ついで
にクロス八木のスタックを12m DISHの先に取り付けてしまいました。(クロス八木のビーム 方向は
反射鏡でなく、DISHのビーム方向に設置。12m 巨大DISHを単にクロス八木のローテーターとして
使用する超贅沢な仕様を実現!)


12m DISH に取り付けたオスカーハンターのスタック


12m DISH 全景

当日午後には関西ARISSのメンバーが到着、いつものように寄って集っての作業で着々と準備が整い、
19:54のパスへの挑戦を待ちました。


会場設営、JR3QHQ 田中さん、JG3QZN  田中さん、 汗だく!!


音声卓とサブアンテナ制御卓、、外は猛暑ですが中は快適 
JE3RZT 野添さん  JH4DHX 大谷さん


12m DISHの制御機材



猛暑の中、サブアンテナを組立中



JA3CF 岩崎さんの挨拶

10秒前の会場一体のカウントダウンを合図に、北西の地平からのAOSと同時に、8N3IFESコントロール
オペレーター佐藤奈穂子特任助教がコール、数回の呼出の後にNA1SS星出宇宙飛行士の応答が受信
でき、子どもたちの交信がスタートしました。
子どもたちのすぐ横では巨大DISHが高速で稼動し、そのビームの先には明るく輝くISSが時折雲に隠
れながらも大きく弧を画き地球の影へと姿を消していきました。交信中には数回、ISSからのパケット
信号により星出さんからの信号が途切れることがありましたが、子どもたちは冷静に「もう一度お願いし
ます」と対応し、20人全員の交信を無事終えました。
最後に、和歌山大学が代表機関となった小型人工衛星「RAIKO」を、9月に「きぼう」からロボットアーム
で直接放出する操作を星出さんに依頼して約10分間の交信を終了し、ISSは東南東の地平にLOSしました。


天気も良く、雲の合間から国際宇宙ステーションが、目視でよく見えました


実は、12m DISHの駆動制御はEL10°でリミットがかかっており、AOS直後はEL10°の位置で待受けて
約2分後の追尾開始、LOS前もEL10°で追尾停止していました。このため、会場の片隅に準備していた
いつもの6mHタワーとクロス八木に接続した予備機からは、少し早く星出さんからのコールが聞こえてい
たようですし、終了後会場が拍手と歓声と笑顔に包まれている時にも星出さんからの最後のメッセージが
受信出来ていたようです。


3m DISHの向こう側に建てたサブアンテナ

クロス八木のビーム方向をDISHのビーム方向より10°下向きに設置し、DISHのELを常に10°高く制御
していれば、もう少し長く交信できていたと思われます。また、直径12mのDISHが、バックグランドからの
反射波を十分に遮蔽していたようで、追尾中は大変安定した受信が出来ていました。

今回の開催は、和歌山県下初、女性コントロールオペレーター関西初、大学の研究施設の主催で開催
国内初、野外で実施国内2例目、など有意義なものとなりました。

また、関西ARISSプロジェクト、関西JAMSATのメンバーと供に地元のJARL和歌山県支部、宇宙通信苦
楽部(みさと天文台友の会)もサポートに加わりました。


撤収後にスタッフ記念撮影


JAMSAT関係の参加者
JAMSAT理事 JH4DHX/3大谷さん
ex JAMSAT理事 JA3CF岩崎さん
JH3BUM 石原さん
JH3NYP 岸裏

DE JH3NYP
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